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日暮れて道は遠し
直角を作るのは意外にむつかしい
2016年10月05日
テーマ:テーマ無し
店舗の仕事の関係で、紙の加工や木工作業が必要になる機会が多いです。その多くは、額装のためのマット紙の加工、それに仮縁にする木枠の製作です。 当初、この仕事を始めたときには、さほど真剣に考えたことはなかったのですが、依頼された仕事をこなすうちに、加工物の直角をいかにきちんと正確に出すかが、ポイントだということに気がつき始めました。 マット紙の加工では、その外形がきちんと長方形になっていないと、額縁に収まりにくくなったり追加工が必要になります。外形の寸法が収まるようにできていないと入らないわけですが、同様に直角が出ていないと額縁には入りません。また木枠を作るような場合、2辺の棹財の角の突合せの部分のブツカリ具合は、結構重要です。きちんと45度でカットされていないと突合せは隙間ができたり、直角が出なくなります。 小さなものならともかく、大きなものになると、その誤差は問題になり、どのようにして正確に直角を測ったり加工したらいいかが、結構、悩ましい話となります。 ふつうは曲り尺というL字型をした工具を使います。(画像:今職場で使用している曲がり尺はこんな感じ。 いつも間にか増えてしまった・・・)大きな曲り尺を用意することになるのですが、市販のものの直角度をチェックすると、たいていそうはなっていなくて、厄介なのです。チェック方法は簡単です。板でも紙でもその辺を基準にして、曲り尺で直角線を引きます。今度は曲り尺をひっくり返して同じようにさっきの辺を基準にして、直角線を引きます。曲り尺が「ほんとうに」直角ならば、2つ引いた線は重なるか平行線になるはず。ですが、たいていの場合そうはなりません。(画像:たいてい平行にならない・・・) よくこの角度を正確に直角にするために、角部を叩いて伸ばしたりしながら直角を補正するという方法があります。画像の曲り尺は、みなそんな補正の手を加えています。(左画像の曲り尺には、角部に叩いた痕跡があると思います。)しかしこの方法は仮のものであることを、やがて思い知ります。叩いたものは、時間がたつと戻ってしまいます。焼きでも入れればいいのかもしれませんが。結局、角度は直角からわずかずれていて、「+」、「ー」、「OK」と書かれているのは、それぞれの曲り尺のクセです。 知り合いの大工さんにこの話をしたら、そんなものだよ、と言われました。だから、ぴったり直角の曲り尺があったら、そりゃ宝物だから大切にしろと。 あるとき、思いつきました。そうか直線は180度で狂いようがないので、それを半分にすれば、かならず90度になるはずと。ならば、大きなしっかりした紙をちょうど半分に折ってしまい、角を作れば「原理的に」直角になるはずだと。そこでケント紙をきちんと半分に折って糊付けしたものが、下画像にある「直角定規です」。この紙の定規を、現役で使っています。
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