なんで?

やけくそ花火かい 

2014年08月06日 ナビトモブログ記事
テーマ:時間

 2日。朝から雨だった。昼過ぎ、花火の空打ちの音がした。
「あ。花火、するねんな」花火に全然興味のないショーに言った。チラシには、「15時から21時。小雨決行。荒天の場合は3日に順延。三日も荒天の場合は中止します」と書いてあった。気の短い委員会みたい。
 でも、一日中雨だった。夕食が済むまで花火のことは忘れていた。
 15時30分ごろ、家の裏で「ポン。ポン。」とお誘い空砲が鳴った。えー? やっぱりするのか。もっと早くに呼んであげないと、みんな取りやめになったと思ってるのに。ショーが、「堤防に大きな照明が点いてる」と言った。
 8時前。カメラと傘と履物を持ってヴェランダへ行った。ま裏の家の後ろの土手に、直径70センチぐらいの明るい照明柱が立っていた。雨はまだ降っていた。カメラで覗くと、堤防の上に傘を挿した人が二人いた。7時50分。「ポンッ」「ぽんっ」と小さな花火が上がった。カメラを首に掛けてヴェランダへ出た。
 なんにも始まらない。堤防の人は3人になった。そこからだと花火をあげる人達が見えるのだろう、じっと待っている。8時10分。雨が強くなった。「もう待ってられへんわ。取りやめや取りやめや」
 カメラは座敷に置いたまま、履物と傘をビニールの袋に入れて、庇のあるヴェランダの方へ持って行った。階下へ降りてテレビを点けた。9時を少し回って、「ドン。ドンッ」と大きな音がした。(あっ。止めたんと違うのン傘と履物を掴んで、急いで二階へ行った。堤防に立っている人は、二人だけになっていた。
「ドンッ。バリバリバリ」
 大きな音で、大きな花火が空に広がった。この後の打ち上げの早いこと。始める時間が遅れたから、次々とあがる。堤防まで直線で300メートルぐらいだから、すごい音だ。「ドンッ(発射の音)」「バンッ(炸裂の音)」「ざーーーーーっ(開く音)」どん! バン!は家鳴り震動する。ザーーーッはまるで大雨。
 カメラは「花火撮影」なんかにセットしているとシャッターが切れるまで2秒ほどかかるから、普通の撮影にしている。花火は休みなく上がるから、アングルもシングルも問わずシャッターを切る。3回に一回、撮影直後の写真が出る。「ドンッ ばんっ バリバリザーーーーーッ。ドンッ ばんっ バリバリザーーーーーッ。ドンッ。どんっ。Ban  zaaaaaaa」
空が煙だらけになる。煙の中で、でっかい花火が開いている。ヴェランダが揺れる。大砲で打たれているみたいだ。
花火師はやけくそで打ち上げている。多分、花火を見ていないのだろう。
ドン どん バン ざーーーー ザーーーー の狂い花火は、20分ほどで終わった。天気の良い晩だったら、堤防は人でいっぱいになるのに、回れ右して去って行くのは二人だけだ。
 明日は天気で、川の両側に少なくとも1000人ぐらいの人は集まっただろうに。
 154枚、撮っていた。

 三日。 今日も雨だった。 やけくそ仕舞いにしなければ、今年はお流れになるところだったんだ。
 四日。まだ雨だった。



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やけくそで

さん

音の説明もあり 臨場感ありますね。
花火を楽しめるのも夏の夜だけですものね。
しっかり写真を撮れてますね。

2014/08/06 06:55:53

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