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吾喰楽家の食卓

蕎麦の食べある記 No.32 

2022年06月13日 ナビトモブログ記事
テーマ:食べある記

続 松本の名店「三城」 ―メニューのない御そば処―

■清酒
地元の蔵元から蕎麦に向く酒を厳選したらしいが、合うというのは蕎麦の香を邪魔しないということだろうか。
吟醸香は控えめで、酸味が弱い辛口系の酒だった。
美味しく飲んだが、具体的な味の印象が薄いのは、蕎麦に合う証なのだろう。

■突き出し
蕨のお浸しは、新物と思われるが、サラダ感覚で食べられた。
きのこおろし(平茸?)は、何とも言えない食感だった。
きゃらぶきは、ご飯に向いた濃い味ではなく、佃煮にしては薄味で酒に相応しかった。

■蕎麦
記憶にある信州蕎麦とは異なり、山形ほどではないが、やや太めの麺だった。
それでいて、喉越しが良いのに驚いた。
越前蕎麦に似ているようだから、大根おろしを使った、ぶっかけ蕎麦でも美味しいかもしれない。

■器
器は瀬戸焼らしく、麹町の店から運んだそうなので、50年程は使っていることになる。
前の店は、政界の大物も贔屓にしていたらしいから、当時の総理大臣も同じ器を使ったかもしれないと、妄想を逞しくした。
「用の美」という言葉は知っているが、糠漬に使った大鉢は、鑑賞目的の工芸品を思わせる、惚れ惚れとする美しさだった。

   *****

酒、突き出し、蕎麦、糠漬、花豆が、絶妙なタイミングで供されたことに、店の拘りを感じた。
二千円(内税)は安いと思うが、酒を飲めない方には別の感想があるかもしれない。
同一料金なのは、酒付きのコース料理と考えれば、止むを得ないことだと思う。
蕎麦だけなら、勝るとも劣らない店を知っている。
しかし、これほどまでに、蕎麦を食べる環境に拘っている店は、他に知らない。

写真撮影はタブーだったが、それを知らずに撮ってしまった。
偶々、女将は気が付かなかったのか、麹町からの客だったマドンナさんと一緒なので、黙認してくれたかは分からない。
何れにせよ、店内で撮った蕎麦の写真は、掲載しないことにした。
三城に興味を持った方が居られるとすれば、「三城 松本」で検索し、納得の上で予約することをお勧めする。
店の為ではなく、ご自身が楽しい一時を過ごすことが出来るからだ。



参考
https://sobajin.toured.jp/nagano/20090119234149.html

   *****

写真
2022年6月6日(月)撮影:三城の暖簾と表通り

御礼
「蕎麦の食べある記 No.31」に、拍手を有り難う御座います。この場を借りて御礼申し上げます。



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