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吾喰楽家の食卓

蕎麦の食べある記 No.31 

2022年06月12日 ナビトモブログ記事
テーマ:食べある記

松本の名店「三城」 ―メニューのない御そば処―

今回の信濃路の旅は、松本の蕎麦屋へ行くと聞いたので、楽しみにしていた。
元々は麹町にあった蕎麦屋だが、15年ほど前に女将の故郷である松本へ移転したそうだ。
麹町の店は、各界の著名人に愛され、寛げる店として繁盛していたらしい。
他には、蕎麦を待つ間に酒が飲めるという程度しか、予備知識はなかった。

店は松本城大手門にあるが、Ben君の運転で来たので、よく分からない。
城を思わせる真っ白な外壁に、黒地の短暖簾に白抜きで「三城」(さんじろ)と、あるだけである。
外からは見えないが、暖簾をくぐって右側にある引き戸の脇に、「御そば処 三城」と表札があった。
徐々に事情が分かったが、予約が必要な店だから、これで充分に用は足りるのだ。

余り広くない店内で、入ると直ぐにある二つのテーブル席を通過して、奥にある正方形の大テーブルに案内された。
黒っぽい無地の和服を着た、粋な風貌の女将が一人で接客していた。
挨拶を交わしただけで注文を訊かないから、マドンナさんが予約の際に伝えてあると思った。
後で分かったことだが、三城はコース料理だけの店だから、メニューは必要ない。

程なく、片口の清酒と、突き出し(蕨のお浸し・平茸のおろし和え・きゃらぶき)が出て来た。
飲みながら蕎麦を待つなんて、蕎麦が好きな飲兵衛冥利に尽きる。
酒を七八分飲んだところで、薬味、汁(つゆ)、蕎麦が出て来た。
大皿に、もり蕎麦六枚分程の蕎麦が盛られ、取り皿代わりの笊が三個添えられていた。

薬味が一人二皿なのは、山盛りは野暮という事なのだろう。
あらかじめ、汁が蕎麦猪口に入っていたが、余りにも少ないのを心配したけど、蕎麦徳利も出て来た。
食べている途中で、大鉢に盛られた、胡瓜、大根、人参の糠漬が、最後に、デザートの花豆と蕎麦湯が出て来た。
随所に拘りを感じ、三城の流儀に魅せられてしまった。

続く

   *****

写真
2022年6月6日(月)撮影:三城の暖簾と表札

御礼
「信濃路の旅(血管年齢)」に、拍手を有り難う御座います。この場を借りて御礼申し上げます。



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