ドラちゃん⑪嵐の夜

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2018年04月24日ナビトモブログ記事
テーマ：小咄

ド～ン、ド～ン、ドン・・！！！

大嵐の深夜

古城の大扉にその音は鳴り響いた

雷（いかずち）すら恐れ慄（おのの）く

ずしりと重い響きが～城を揺さ振る

ドラちゃん・・歯の治療が終わってからというもの
街に出かけては美女の生き血を吸い
バンパイアとなった彼女達を地下室に侍らせ・・

「この世の天国～スィート・ルーム～秘密の花園」

久し振りのハーレム状態であった・・

ドラ「玄関先がうるさいなぁ～
　　　おい、コウモリ見てきてくれ
　　　今、手がふさがって忙しい」

コウモリ君「はい、わかりました」

いい気なもんだ！本当は恐いくせに。
格好ばかりつけて、嫌な事は皆、あたしに押し付けなんだから・・と、思いつつ執事に変身して玄関扉へと・・

まだ、扉を叩く大音響と嵐の交響曲が聴こえている

大きな城門を開く

「ウッ・・・・・！！！」

仁王立ちしたバケモノが立ち尽くしていた・・

髪はザンバラ、波打ち際のワカメ

目の周りは真っ黒なしずくがしたたり落ちている

歯はむき出し、吐息が荒い、臭い・・ハーハーハー！

服は裂け、太い胴体は血まみれ・・・

肩、二の腕が小刻みに震えている

暗闇の中、背後の雷一閃・・姿が浮かび上がる

歴戦のつわものコウモリ君、腰を抜かした

「あなた様は・・・？」

バケモノが大きく息を吸い言った

「ミカよ！」

さっきまで、狼男の群れと格闘してついに勝った・・
女（？）の執念、愛の力は強い
道成寺～安珍清姫の世界・・
執念に敵無し・・無敵艦隊・・ミカちゃん

コウモリ君に記憶がよみがえった

あ、あ、あの入院中の時のオネェさん・・・

「ドラちゃんに会いに来たの・・
　会わせてよ～、お願い～」

コウモリ君、その太い両腕で首を締め付けられながら
言われたから、たまらない

「うっ、うっう・・わ・か・り・ま・し・た・ぁ・・」

「ご主人様にお伝えしますぅ～少々お待ち下さい」

息も絶え絶え、何とかホールのテーブルへ案内し
ドラのもとへ・・・

「かくかくしかじか・・・」

ドラちゃん一気に血の気が冷めた・・・

「この美女達を地下牢に隠してくれ、で、どうしたもんかいなぁ～」

コウモリ君は素早く美女達を地下牢へ閉じ込め

ホールへと向かった

「まもなく、ご主人様がおいでになります」

そして、ドラちゃん登場・・・

ミカちゃん「ドラちゃ～ん」

言うが早いか、速攻アタック！抱きついた！

太い腕で抱きつきキスの嵐、嵐、嵐・・・

外の嵐はその時おさまった・・

・・が、城内で嵐が吹きまくるのであった

（続く）

○ちあきなおみ～朝日のあたる家　♪https://www.youtube.com/watch?v=jkRa6dl4LtU