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南十字星の恋�C　

2020年06月10日
テーマ：小咄

南十字星の恋�C　　　　　　　　（5/31の続き） その日、ハルム島の午後は海も空もいつも通りおだやかだった。 寄せては返す波が幾条もの白い線を描く。 砂浜ではこっちへ来いよとばかりに カニが...

日暮れのカフェ　

2020年06月02日
テーマ：小咄

すっかり高くなった初夏の太陽が やっとねぐらに帰るとき 柔らかく和らいだ光が 数条の束となって 連なるビルをうっすらと赤く染める 仕事帰りの人達が 街中に溢れ出し 都会の夕暮れが ひときわざわ...

漆黒の刺客　

2020年05月31日
テーマ：小咄

九州筑前の国博多 朧月夜に闇深まりたる草木も眠る丑三つ時 玄関の上がり框に怪しき影が走る 其処でうごめくは何者ぞ うぬは伊賀者か甲賀者か 我が目を節穴とでも思うたか ここで会うたが百年目 修...

南十字星の恋�B〜改訂版　

2020年05月31日
テーマ：小咄

南十字星の恋�B　　　　　　　　　　（5/20の続き） その日の早朝もすでに男達の漁は始まっていた。 そして、いつものようにお日様がが水平線から優しく顔を出した頃、波打ち際でカヌーを漕ぐ娘の...

すずめのお宿繁盛記　

2020年05月27日
テーマ：小咄

○　雀のお宿繁盛記 むかしむかしのことじゃった。 高いお山の連なる峰々の脇に少し低い山があって、その峠にたいそう立派なすずめのお宿があった。 そこからは眼下に広がる里の眺めが素晴らしく、峠...