ほっこり

深夜の小話集 

2018年04月10日 ナビトモブログ記事
テーマ:小咄

なんら人生の役に立たぬ小話を3つ思いつくままに書いてみました
家事、仕事に疲れた夜の脳みそでお読みください(願望)
朝気は鋭し、と言います
朝の鋭気が阻害されますのでご注意されたし・・・

○ 記憶

お婆さん「今日が何の日か覚えていますか?」

お爺さん「さぁてね?あ〜そうか!今日は4月11日、お前の誕生日だったな、うっかりしてたわいな」

お婆さん「あたしの誕生日は11月4日ですよ」

お爺さん「あ〜そうだったな、結婚記念日だな!」

お婆さん「私らが祝言をあげたのは秋ですよ」

お爺さん「はて、なんの日じゃろう?」

ここ迄は真面目に覚えていなかった

お婆さん「あなたが私に初めて恋文を書いた日ですよ
実はね、まだ大事に持っているのよ!
手紙のその日付が今日なのよ」

お爺さんの額から汗が流れ出す・・・
呆けた振りで通す

お爺さん「そんなの書いたっけなぁ〜」

お爺さんに記憶が甦った

当時、そこら中の女性に恋文を送っていた

呆けるお爺さんと想い出を大切にしまっておいた
お婆さんの姿がそこにあった

お爺さん、名うてのプレイボーイだったのである


○ 誤認〜親切はほどほどに

朝の通勤ラッシュの時、それは起きた

彼は駅のホームに上がるのに、込んでるエスカレーターを使わず、長い階段を駆け上った
電車に乗り遅れてはいけない

階段の半ばあたりであった

前を歩く少しミニのスカートをはいた女性が携帯ティッシュを落としたのが目に入った
彼は親切にもそれを拾いかがんだ姿勢で声をかけた
(かがんだ姿勢)〜これがいけなかった

「お嬢さん、落とされましたよ〜!」

「きゃ〜、痴漢!」

彼は覗き見の現行犯で鉄道警察に逮捕された


○ だだをこねる

とある日曜日、若夫婦と幼稚園児の息子、3人連れの家族がデパートにやって来ました
特に目的商品はない、ウインドー・ショッピングの延長みたいな感じである

息子が人気のガチャポンをみつけた

「ママこれ買ってぇ〜!」

「だめです!」

「いやだぁ〜たった、200円だよ〜」

「お金は大切に使いなさい!」

息子は床に転がり回って泣き叫ぶ・・・

母親は慣れたもの無視である

紳士服売り場が目に入った

「母さん、あのポロシャツ、お洒落でこれからの季節にいいなぁ〜、ちょっと見てもいいかな?」

「だめよ、あなた!男は中身が大事よ。3年前に買ったものがタンスの奥でねむっているわ。
あれを着なさい!子供に示しがつかないわよ、そんなこと言ってたら・・・」

ここまで書けば結末を大方の方が予想される・・?

「今日は見るだけです!何も買わないのよ
そんな余裕はありませんのよ」

意外と自分にも厳しい・・・その日であった

日付変わって、翌日の月曜日

夫は会社へ、息子は幼稚園へ

デパートで一人ショッピングする奥様の姿があった

前日、見定めていた服などをクレジットで買いあさった

「買物はやっぱり〜ひ・と・り〜がいいわ!」


おそまつさまでした・・・

〜おまけ〜

「買物ブギ」〜笠置シズ子さんのヒット曲
演奏は「UA(ウーア)」〜JAZZ風アレンジ
https://www.youtube.com/watch?v=2UMFHnklBL0



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ご謙遜を・・・!

ぼてふりさん

アダージョさんへ

毎回あれだけの頓智の利いた話を書かれるのは大変な事です。刻まれた年輪、深い知識や教養のなせるわざです
いつも、よき刺激を頂いて感謝しています

笑いのお師匠さまへ

2018/04/11 12:09:22

なさそうでありそうな話

ぼてふりさん

月あかりさんへ

テーマをこれに絞った感じ・・・
実は書いた後、そう思った次第です(笑)
ブラック・ユーモア系になっちゃいました

写真は近所の小さな空き地に咲いているものを
撮影しました

2018/04/11 11:55:21

いとも簡単に

アダージョさん

ぼてふりさん
こんな風に すらすらと小話を 纏められると
格の違いを痛感させられます。
ドラちゃんも快調ですし 参りました。

2018/04/11 09:50:01

面白い

月あかりさん

面白い風刺小咄でした。

パチパチ・・・でもなぜか気がおちこみました(笑)
綺麗なお花が添えられていますね。ご自分で撮ったのですか?

2018/04/11 09:32:50

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