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師走・初演の会 

2016年12月25日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

午後一時、『初演の会』の開演である。
先ずは、宿題三題噺の月番である、林家はな平が登場した。
客のリクエストをまとめて、来月のお題を決めないといけない。
ピコ太郎、高齢ドライバー、大火事の三つに決まった。
続いて、今月の三題噺が始まった。
お題は、トランプタワー、地震予知、天皇誕生日の三つだ。
『夢のお告げ』という、友人が正夢を見ると知った男の噺である。
友人は馬が走っている場面で、数字の五が浮かんで来る夢を見た。
男は天皇誕生日の競馬で、五番を単勝で五万円も買ったが、五着だったというオチで噺は終った。
無理なくお題を入れ、結構、笑えた。

二番手は、古今亭菊生である。
先月、『宗論』を口演し、讃美歌を熱唱した。
今回の『くしゃみ講釈』は、実演で聴くのは初めてだ。
「唐辛子」のところを、「胡椒」と云ってしまった。
少しも慌てず、上手く誤魔化したのは、さすが真打だけのことはある。
そして、見事な、くしゃみをして見せた。
講談も、様になっていた。
この日の噺で、一番の受けだった。

三番手に、鈴々舎馬桜が『九段目』を口演した。
ご自身が管理者である掲示板に、「中々、科白が覚えられない」と、投稿していた。
そこで、圓丈方式(カンニングペーパー)を採用した。
手拭に科白を書いた紙を挟んで、読んだのである。
急遽、加古川本蔵に決まった代役に、稽古をつける場面だ。
台本を読んでいる設定だろうから、不自然さはない。
ところが、ベテラン真打の馬桜師匠は、プライドが許さないのだと思う。
「今年の中で最悪の出来!」と、自身を評している。
来年の十二月に、再挑戦するそうだ。

トリは、月番の林家はな平が再登場した。
彼は、二ツ目だが、この会では、交替でトリを務めるらしい。
演題の『文違い』は、馬桜師匠が稽古をつけたそうである。
吉原には、「冷やかし千人、客百人、間夫は十人、恋一人」という、通言があったという。
新宿の女郎が客と間夫を騙し、自分は恋に騙される噺だ。
馬桜師匠によれば、「上げの稽古の時の方が良い出来」という。
九月の国立演芸場で、花形演芸会の中トリを務めた、蜃気楼龍玉の『文違い』を思い出した。
今回の『文違い』は、二ツ目の初演である。
昨年、花形演芸大賞を受賞した、真打と比べては気の毒だと、己を制した。

予定の三時を少し過ぎ、林家はな平の音頭で三本〆をし、お開きになった。
この後、御徒町駅の近くの居酒屋で、反省会が待っていた。

   *****

写真
12月24日(土)の夕餉



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