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「STAP(スタップ)細胞」は「瓢箪から駒」 

2014年02月18日 ナビトモブログ記事
テーマ:暮らし

 去る1月29日、「STAP(スタップ)細胞」の作り方が英科学誌ネイチャー電子版に発表された。それ以降、30歳の小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダーは、一躍、時の人となった。

 連日、テレビやラジオ、新聞、雑誌、ネットなどで、国内外にわたり、「STAP細胞」について報道された。

 そんな「STAP細胞」の作り方は、次のとおりである。

 @ 生後1週間以内のマウスの脾臓(ひぞう)から、血液細胞の一種であるリンパ球を取り出す。

 A 水素イオン指数(pH)5.7の希塩酸溶液という弱酸性の液体に約30分漬けて刺激する。

 B タンパク質を含む培養液で1週間培養する。

 この作り方は、おそろしく簡単である。「即席お漬け物。赤ダイコンのピクルス」の作り方と似ている。
 違いは、「赤ダイコンのピクルス」は、30分後に食べれるのに対し、「STAP細胞」の方は、1週間培養しなければならないくらいのものだ。

 マウスの脾臓からリンパ球を取り出す方法をマスターできれば、津軽のシニアブロガーにも簡単に「STAP細胞」を作れるのではないか。そんな気がする。

 昔、中学生頃にカエルの解剖をやったことを思い出すと、なんかやれそうになってくる。

 リンパ球を漬ける希塩酸溶液の中身は、ミネラルと砂糖(グルコース)と酸性(pH5.7)にするための塩酸だけで、生物学では一般的な液体だという。これじゃ、ますますやる気が出てきそうだ。

 リンパ球は、培養液で1週間培養すると初期化が始まり、「STAP細胞」に変わる。

 「STAP細胞」は、神経の元になる細胞(外胚葉)や筋肉の元になる細胞(中胚葉)などいろいろな細胞に分化する。つまり、「STAP細胞」は、あらゆる細胞に分化する能力がある万能細胞の一種である。


 今回、作り方が発表された「STAP(スタップ)細胞」。万能細胞の一種であるが、万能細胞の先輩は「iPS細胞」である。

 京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授、51歳。山中教授は、「iPS細胞」の発見の功績により、2012年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。「iPS細胞」は、再生医療や薬の開発での応用が期待されている。

 「iPS細胞」と「STAP細胞」との違いはなんだろうか。各種報道で知り得ることを掲げる。

@「STAP細胞は遺伝子を入れる必要がない」
 

 「iPS細胞」を作るには、細胞にいくつかの遺伝子を入れる必要があるのに対し、「STAP細胞」では、その必要がなく、酸性の液体に漬けるだけである。

 「iPS細胞」を作るのに、細胞に遺伝子を入れる結果、「iPS細胞」から腫瘍が作られることがある。つまり、「iPS細胞」は、遺伝子操作に伴うがん化のリスクがある。

 これに対し、「STAP細胞」は、外的な刺激を与えるだけなので、がん化のリスクが低く、現に、「STAP細胞」を元にしたマウスでは、「腫瘍が作られるリスクは十分に小さかった」そうだ。

A「STAP細胞はコストが低い」

 「iPS細胞」の課題の一つはコストだ。 臨床研究が進む網膜色素上皮細胞の場合、1人当たり2千万円〜3千万円かかるとされている。

 体の細胞を万能細胞に作り替えるには、初期化という作業で受精卵の状態に逆戻りさせる必要がある。

「iPS細胞」は遺伝子を使って初期化するが、「STAP細胞」では、酸性の液体に漬けるだけで簡単なのが特徴である。

 「iPS細胞」の初期化成功率は0.2%未満と低いのに対し、「STAP細胞」の初期化成功率は7〜9%と高い。

 「STAP細胞」の初期化成功率を中間を取って8%とみて、「iPS細胞」の初期化成功率を0.2%とみた場合、初期化成功率で、「iPS細胞」は「STAP細胞」の40分の1である。

 これは、コスト的には、「iPS細胞」は「STAP細胞」の40倍かかることを意味する。
 
 臨床研究が進む網膜色素上皮細胞の場合に当てはめれば、「iPS細胞」では1人当たり2千万円〜3千万円かかるのに対し、「STAP細胞」では40分の1の1人当たり50万円〜75万円で済むということになるだろう。

 しかも、「iPS細胞」は遺伝子操作に伴うがん化のリスクがあるのに対し、「STAP細胞」は外的な刺激を与えるだけなので、がん化のリスクが低い。

 今回の「STAP細胞」の発見というか、万能細胞の作り方の一つである「STAP細胞」という概念の発見における最大の特徴は、簡単明快であることだ。シンプル イズ ベストである。


 京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授、51歳。山中教授は、「iPS細胞」の発見の功績により、2012年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。「iPS細胞」は、再生医療や薬の開発での応用が期待されている。

 今回の「STAP細胞」という概念の発見に関し、ノーベル賞受賞者の山中伸弥教授は、次のようなコメントをしている。

@ 重要な研究成果が日本人研究者によって発信されたことを誇りに思う。

A 今後、人間の細胞からも同様の手法で多能性幹細胞が作られることを期待している。 マウスの血液細胞に強いストレスを加えると多能性が誘導されることを示した興味深い研究であり、細胞の初期化を理解する上で重要な成果だ。

B 医学応用の観点からは、iPS細胞のような細胞の新しい樹立法ともとらえることができ、 人間でも同様の方法で体細胞において多能性が誘導された場合、従来の方法とさまざまな観点から比較検討する必要がある。

 しかし、素人目で判断するに、「STAP細胞」の方が「iPS細胞」よりも格段に優れている。

 そして、「iPS細胞」の発見でノーベル賞を受賞できたのだから、「STAP細胞」の発見は、間違いなくノーベル賞を受賞できる。

 今回の研究では、生後1週間以内のマウスからしか「STAP細胞」を作れなかった。成長したマウスからは上手くいかなかったという。

 ヒトの細胞でもまだ実験されていない。 そこは、ヒトの大人から作れるiPS細胞と異なるところだ。

 しかし、成長したマウスやヒトの細胞から「STAP細胞」を作るのは、時間の問題だろう。

 今回の「STAP細胞」という概念の発見は、多方面にわたり、様々な影響を及ぼすはずだ。今後、更に、注目していきたい。

 小保方晴子さんが、当初、2012年春に、英科学誌ネイチャーに論文を投稿した際は、「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄していると酷評され、掲載を却下された」という。それほど常識破りだったわけだ。

 まさに「瓢箪から駒」である。


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