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「ほやさかい」 

2013年10月28日 ナビトモブログ記事
テーマ:暮らし

ネットサーフィンをしていたら、関西弁に興味を持つ人からの次のような質問と回答に出くわした。

 以下の文章を、関西弁で訳して下さい。
 「そうだ、君にこれをあげるよ」

 「せや、あんさんにこれあげよ」地域や話し手、聞き手に応じて言い方は変わります。

 「そやなぁ、あんたにこれやるわ」
 「ほやなぁ、あんたにこれやるわ」
 

この回答の中で、「せや」とか「そやなぁ」は、テレビを観ていて聴いた記憶がある。しかし、「ほやなぁ」は初めて聴いた。
 「せや」、「そやなぁ」のほか、「そやさかい」もよく耳にする。みんなサ行だ。ハ行の接続詞は馴染みがなかった。

 そこで、ネットで調べた。次のような解説がヒットした。

  大阪弁の接続詞は、「そう」+「助詞」でできているものが多い。
 「そう」は「そ」と縮められ、「ほ」に変化する。
 また、「そうや」は「そや」となり、→「せや」、「しや」、「ほや」ともなる。
 
 そして、ハ行の接続詞として、次の例示がある。
 ほやけど   だけど、でも
 ほやかて   だけど、でも
 ほやから   だから
 ほやさかい  だから

 これを見て、関西人は、結構「ほや」が好きだという印象を持った。


 日本列島、それは、弓なりの形をしていて、東西南北に長い列島。東西にも3,000キロメートル、南北にも3,000キロメートルもの長さがある。それゆえ、四季折々に、山にも海にもご馳走がたくさんある。

 その一つが、「海のパイナップル」だ。ホヤは、パイナップルのような形をしているので、「海のパイナップル」と呼ばれる。
 体長は15cm、直径は10cmほどに成長する。革状の厚い皮で包まれていて、その色は、「黒みがかった赤色」から「赤みがかったオレンジ色」までの範囲。体の表面には、多くのイボ状の突起がある。

 日本各地の沿岸に生息するが、太平洋側では宮城県牡鹿半島から北、日本海側では秋田県男鹿半島から北に多い。宮城県、岩手県、秋田県、青森県、北海道の沿岸で多く獲れるということだ。

 水深数メートルから数十メートルの海底の岩や防波堤などに付着しているが、宮城県、岩手県、青森県、北海道の沿岸では、垂下式の養殖も行われている。

 身が一番厚くなる6月から7月までの期間が旬である。

 ホヤは、イボのある外皮を剥がして中の柿色をした筋膜を食べる。中に入っている水は「ホヤ水」といって、これが独特の香りがして美味しいので、捨ててはならない。

 さばき方は簡単で、一番手早いのが中心から二つに切る方法だ。ボールで受けて中の水を捨てないようにする。身は、指で簡単に剥がせる。黒い部分を少し削ぎとり、適当にカットして食べる。

 刺身をポン酢で食べるが、焼きホヤでも食べられる。

 ホヤの味は、刺身でポン酢で食べると、磯の香りがして少しの苦味がある。刺身でポン酢で食べるといっても、ホヤの中に入っている水である「ホヤ水」の中にポン酢を加え、刺身のホヤを入れるところが大事だ。

 小鉢に、「ホヤ水」を入れ、ポン酢を加え、刺身のホヤを入れる。これを食べると、磯の香りがする「ホヤ水」とともに、刺身のホヤが口の中に入り、柔らかいホヤの身を噛むと少しの苦味がする。
ここや、ここがいいところだ。

 ホヤは、日本酒を飲むときのつまみに最高だ。ホヤは、初夏が旬だから、冷酒がいい。


 関西人が「ほやさかい」など「ほや」言葉を使うのを見て、「ほや」好きの関西人は、ホヤ好きだろうと想像した。

 そうしたら、次のようなネット記事に出くわした。

 曰く、「関東以西出身の人を10人集めてホヤを食べさせ、うまいかまずいかのニ択をさせれば、8人はまずいを選択するだろう。 東北人以外には、ホヤはそんな味だ。関西人の大多数が、ホヤの味が嫌いだ。ホヤは、 希少だから流通しないのではなく、まずいから流通しないんだ」

 これを見て、失敬な、と、ホヤと共に思った。そして、反論しなければならない。

 ホヤの一人が言う。「関西のみなさん、ホヤの味はまずいとおっしゃるんですか。ほやけど(だけど)、関西のみなさんは、ナマコは、好んで食べるそうですね。ナマコはうまい。ほやかて(でも)、ホヤはまずい。というのが理解できません。これでは、人種差別です」

 周りのホヤたちが叫ぶ。「そや、そや」「ほや、ほや」

 ナマコは嫌いでホヤも嫌い、なら分かる。しかし、ナマコは好きでホヤは嫌い、が分からない。

 ナマコも、刺身で、醤油にポン酢で食べる。ナマコは、触って硬く、太っているものがいい。だから、うまいナマコは、少しコリコリする。

 改めて、ナマコとホヤの比較をしてみる。

 ナマコは、小鉢に、醤油を入れ、ポン酢を加え、刺身のナマコを入れる。ナマコは、硬く、少しコリコリする。

 ホヤは、小鉢に、「ホヤ水」を入れ、ポン酢を加え、刺身のホヤを入れる。ホヤは、柔らかく、ホヤの身を噛むと少しの苦味がする。

 ナマコとホヤの異なるところは、醤油に対し「ホヤ水」、硬くに対し柔らかく、少しコリコリに対し少しの苦味である。

 しかし、この差異が、ナマコは好きで、ホヤは嫌い、に結びつくとは、到底思えない。

 ナマコを食べるのは、関西人の酒好きの男だ。この男は、酒も好きだが、女も好きだ。関西人のうち酒好きで、女好きの男は、「醤油に対し『ホヤ水』、硬くに対し柔らかく、少しコリコリに対し少しの苦味」の両方とも好きだ。

 ほやさかい(だから)、ホヤは嫌い、なのではなく、単に食わず嫌いなだけだ。



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