メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

人生日々挑戦

「みずほ銀行・第三者委員会の怪」 

2013年10月30日 ナビトモブログ記事
テーマ:暮らし

泥縄(どろなわ)ということばがある。「泥棒を捕らえて縄をなう」の意から、事が起こってからあわてて対策を立てたり準備をしたりすることを意味する。

 みずほ銀行がグループの信販会社を介した暴力団員らへの融資を放置した問題。これに関するみずほ銀行の対応を見ていると、泥縄ということばが浮かぶ。


 10月28日、この問題に関し、外部専門家からなる第三者委員会の中込委員長による記者会見について、ネットで配信ニュースが流れた。

 時事通信は、まず、次のように伝えている。
 

 この問題における佐藤康博頭取、塚本隆史会長の責任については「管理・監督責任はある」と指摘。一方で「みずほ全体の企業統治(の欠如)を示す問題ではない」との認識も示した。

 しかし、第三者委員会の見解は、自己矛盾だ。

 「みずほ全体の企業統治(の欠如)を示す問題ではない」と認識するがゆえに、頭取、会長の責任については「管理・監督責任はない」と指摘するのであれば、理解できる。

 しかるに、逆だ。いやしくも、みずほ銀行のトップである頭取、会長の責任について「管理・監督責任はある」と認定することは、みずほ全体の経営上の責任ありと認定することを意味し、であるがゆえに、「みずほ全体の企業統治(の欠如)を示す問題である」と認識することにほかならない。

 こういう自己矛盾を記者会見で行っているのを見ると、フジテレビのほこたてのヤラセと同じようなことでもあるのかな、と勘ぐりたくなる。

 時事通信が次に伝えるところを以下に示す。

 金融庁の検査に対して事実と異なる報告をしたことについて中込委員長は「隠蔽(いんぺい)する積極的な利益・動機はない」と、隠す意図はなかったと強調。検査忌避に該当する可能性についても「全くない」と断言した。

 これもおかしい。

 
 金融庁の検査に対して事実と異なる報告をするということは、「隠蔽(いんぺい)する積極的な利益・動機はない」かどうかにかかわらず、まさに隠蔽(いんぺい)したということだ。
 そして、隠蔽(いんぺい)するということは、「積極的な」といえるかどうかは別として、なんらかの「利益・動機がある」からである。
 金融庁の検査に対して事実と異なる報告をすること自体、隠す意図があるということだ。検査忌避に該当する可能性うんぬんどころか、ずばり検査忌避に該当すると断定できる。

 時事通信は、更に伝える。

 今回の問題の背景に、(統合前の第一勧業、富士、日本興業3行の)旧行意識に基づき行員間に壁があるとの指摘に対して中込委員長は「もうほとんど(旧行意識は)払拭(ふっしょく)されている」と否定した。

 これもおかしい。

 3行の統合による「みずほフィナンシャルグループ」の創設時期は、2000年の秋であるが、今現在を基準としても、まだ13年しか経っていない。そんな短い期間の経過で、(統合前の第一勧業、富士、日本興業3行の)旧行意識に基づく行員間の壁が解消されるわけがない。
 今までの銀行合併の実際例に照らせば、すぐに分かることだ。「半沢直樹」に聞いてみればいい。
 2行の合併でも20年はかかるというのが銀行業界の常識でないの?

 そして、10月28日の毎日新聞の配信ニュースは、次のように伝えている。

 第三者委の中込秀樹委員長は記者会見で「強制調査ではなく、期間も短い」と述べ、調査の限界にも言及した。20日程度の突貫作業だった上、みずほ側の記者会見での説明が二転三転するなど行内が混乱する中、真相に迫れたのか不明との見方もある。十分な調査をもとに、みずほが適切な再発防止策と社内処分を行ったのか。今後は、業務改善計画を精査する金融庁の対応が焦点となる。

「強制調査ではなく、期間も短い」と述べ、調査の限界にも言及するということは、外部専門家からなる第三者委員会の調査が不十分なものであることを自ら認めるに等しい。
 そそもそも論からして、これだけの重大な問題について、20日程度の突貫作業で真相解明をするなんて、どだい無理だ。それが世間の常識というものだ。

 外部専門家からなる第三者委員会は、どういう調査の仕方をしたのか。第三者委員会の委員が自ら調査をしたのか。それとも、みずほ銀行の行員スタッフが用意した資料に基づいての調査だったのか。

 本当に、第三者委員会によって真相解明をするのなら、会計検査院のような専門家集団を率いてやるのでなければ、できっこない。


 みずほ銀行の第三者委員会による調査のような泥縄がまかり通るようであれば、法令遵守や企業倫理といった企業コンプライアンスは、どうでもいいということになりかねない。

 今後、みずほ銀行の業務改善計画等を精査する金融庁の対応が焦点となるが、金融庁の対応次第では、金融庁無用論が出てくることを覚悟した方がいい。

 もし、みずほ銀行の対応が今のままでまかり通るようであれば、金融庁がエラクなめられたものだなと世間はみるんじゃないかな。

 そして、全国の金融機関が金融庁の言うことを聞かなくなることを恐れる。

 以上申し述べた危惧が現実化してはならない。金融庁の対応いかんを日本国民が厳しい目で見つめていることを肝に銘じて対処してもらいたい。



 ブログにご訪問下さり、ありがとうございます。  

 
 
 私の人気ブログランキングへの応援のため、よろしければ、
 ポチッと↓をクリックして下さると助かります。
 http://blog.with2.net/link.php?1546952 



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

PR





上部へ