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「相棒・水谷豊」 

2013年10月26日 ナビトモブログ記事
テーマ:人生

10月23日放送の「相棒 シーズン12 第2話」を観た。第2話は、殺人犯人が数学者の大学教授であり、被害者が大学教授の大学同級生で数学研究マニアという設定である。

 数学の世界では、いまだ解明されていない難問がいくつもあり、その中でも「素数の謎」が最難問らしい。
 素数とは、1と自分自身以外では割り切れない自然数。2、3、5、7 、11、13、17、19……と続く。
 世界における軍事機密データや金融データなどの暗号は、素数を基にしているから、「素数の謎」が解明されて公開されると、世界中が危機に陥ってしまう。

 数学者の大学教授は、実は、「素数の謎」を解明してしまっているが、世界が危機に陥いることを防ぐため、それ闇に葬り去ることを決意している。

 しかし、数学研究マニアは、そのことを突き止め、世紀の大発見に興奮した彼は、大学教授の名前で公開することを大学教授に告げる。そこで、大学教授は、世界が危機に陥いることを防ぐため、数学研究マニアを殺してしまう。というわけだ。

 「相棒 第2話」は、観ていて、スリルとワクワク感が希薄なものであったと言わざるを得ない。ドラマが進行していくにつれ、どうも冷めた観方をしてしまうのだ。
 世界で何百年間も数学者の誰もが解明することができないでいる「素数の謎」。その最難問を大学教授が解明してしまっていたという真相が明らかになった瞬間、そんな馬鹿な、と思ってしまう。
 いくら、ドラマの中の話だとしても、そんなことはないだろう、だ。
 
 「相棒」の大ファンである自分がこんな感じで視聴するのは、珍しいことだ。

 「相棒」は、刑事ドラマだが、人生のあやとか人情の機微を表現しているドラマだからこそ、人気がある。今回は、数学が題材であり、人情の方はどうも、といった感じだ。

 それと、前週の第1話における「相棒・さらば三浦信輔係長殿」の余韻がまだ強く残っているからだろう。

 そんなわけで、今回は、杉下右京を演ずる水谷豊と相棒の甲斐享を演ずる成宮寛貴の顔を初めてじっくり観させてもらった。

 水谷豊、1952年(昭和27年)生まれの61歳。片や、成宮寛貴、1982年(昭和57年)生まれの31歳。ちょうど30歳違いだ。
 成宮寛貴を知ったのは、一年ほど前からだが、水谷豊との付き合いは、皆さんと同じように永い。
 そうか、水谷豊は、60歳を越えているんだ。サラリーマンで言えば、定年退職してしまっている年齢か。ご苦労様、と声をかけたくなるはずだ。

 
 水谷豊と成宮寛貴が演ずる「相棒」は、昨年のシーズン11からだが、この中高年と若者の相棒を観ていると、水谷豊の若い頃を思い出す。

 NHKのテレビドラマ「男たちの旅路」は、1976年(昭和51年)2月から6年間にわたって放送された。

 世代も人生経験も異なる警備会社の社員たちが、ガードマンという仕事を通して直面する問題に向き合う姿、さまざまな場面での人間の価値観、信念といったものが描かれている。

 出演する俳優は、吉岡晋太郎司令補役が鶴田浩二、ガードマン役としては、杉本陽平役が水谷豊、 島津悦子役が桃井かおり、柴田竜夫役が森田健作である。

 この時、鶴田浩二が51歳、水谷豊が23歳、桃井かおりが23歳、森田健作が26歳だ。

 鶴田浩二が51歳、水谷豊が23歳は、今の「相棒」の水谷豊の61歳、成宮寛貴の31歳に比べ、10歳ほど若い。こうして比べてみると、歳月の過ぎることがなんと早いことよ。

「男たちの旅路 第1部 第1話 非常階段」は、ドラマのしょっぱなということもあり、今でも鮮明に覚えている。

 桃井かおりは、第1話では、鶴田浩二、水谷豊、森田健作の3人が警備する高層ビルの屋上付近に止まっている清掃用のゴンドラに入り込み、そこから飛び降り自殺を図ろうとする若い女性で登場する。

 鶴田浩二を中心とする3人による必死の説得で、助けられ、後に、それが縁でガードマンの仲間入りをすることになる。

 鶴田浩二は、自身が戦争時の特攻隊員の生き残りというか、死ねなかったというか、そういう経験の持ち主であり、二十歳前後で死んでいった特攻隊員たちにすまないとの思いで生きてきた。
 ドラマの吉岡晋太郎司令補も、まったく同じ特攻隊員の生き残りという設定になっており、鶴田浩二の生きざまを投影した役となっている。

 さすが山田太一脚本のシリーズものだけある。

 吉岡司令補役の鶴田浩二は、桃井かおり演ずる若い女性の自殺を阻止するため、説得を続ける。

「あんたにはな、ありあまって使い道のない人生かもしれんが。30年前にはな、30年前の戦争ではな、」特攻隊員生き残りの吉岡司令補は、命を粗末にすることが許せなかった。

「本当にお前は生きたか。ギリギリに生きてみたか!」

 水谷豊が鶴田浩二の物言いを止めようとする。

「バカヤロウ。こんなときにずれた話なんかするなよ!」

 鶴田浩二が続ける。

「5分で死ぬだと?まるでゲームだ。俺たちをおどかして、2分たった3分たった、ハイさよならというわけか?軽薄なことを言うな!」

 水谷豊がたまりかねて鶴田浩二を止めようとして言う。

「あんたにはわかっちゃいないんだ。今の人間がわかっちゃいないんだ」


 51歳の鶴田浩二と23歳の水谷豊との組み合わせは、昭和51年2月のことである。

 小柄でやせ細った水谷豊は、すっかりあんちゃん風。鶴田浩二と言えば、昭和を代表する俳優であり、歌手であり、大スターだ。その鶴田浩二に、水谷豊あんちゃんが絡む。

 この経験は、その後の水谷豊の役者人生に決定的な影響を与えたはずだ。おそらく、「相棒」で杉下右京を演じているとき、とりわけ相棒が甲斐享であるときは、「男たちの旅路」における鶴田浩二と水谷豊を思い出していることだろう。 

 ネットで調べたら、水谷豊は、鶴田浩二との共演について次のように語っている。

「本当に怖かった。役柄でつっかかってたが、いつも逃げる準備をしてました。その時(鶴田さんは)『好きにぶつかってこい。全部受け止めるから』と声をかけてくれて、今でもそういう俳優になりたいと思っています」

 昭和51年、今の時代の「いじめ」なんてものがなかった昭和の時代。戦後31年後で、今から37年前。あの頃に戻ってみたい。



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