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作品名 試してみる?の話(4) 評価 評価(1)
タイトル 試してみる?の話(4)
投稿者 比呂よし 投稿日 2013/12/07 12:31:02

++++手を叩いて囃し立てた。メダカの学校でも
大人の学校でも、イジメは立派に存在する。後で、
教育委員会へ報告ておこう。

(4)

 イジメも含めて、私は教室で女によくもてるーー
と思っていた。 が、これはどうやらうぬぼれで
あった。
 女達から笑みをたたえて話しかけられたり、手首
をぐいっと太ももまで引っ張られる格別な好意も、
もてるからでは無さそうだと気づいたのは、入学後
ニケ月くらい経ってからである。

 授業の中ほどにある10分間の休憩時間に、女達
はおしゃべりをする。大概私は隅で聴き役である。
彼女らは、何時も私が存在しないかのような話し振
りをする。男の数に勘定していないのだ。
 湿り気の無い「干物」で、「種無しブドウ」であ
り、メス猫でさえ無視する「人畜無害な生き物」と、
女達は勝手に解釈している。男の70とは、どうや
らそんな歳であるらしい。

 しかし、これは私に好都合である。何故なら相手
が油断していて、女の秘密が色々判るからだ。おし
ゃべりを聞いていると、実にアケスケに男の悪口を
言い、女の内緒事を語るのに隠す処が無い。「スキ
だらけ」なのである。言うなれば、私は透明人間に
なって、女風呂に潜入して見聞している感じである。

 女達の話題は活発にあちらこちらに飛び、ネイ
ルアート(=マニキュアの一種)のデザインへも
関心が高い。抱かれた時にキュッと感じて、思わ
ず彼の背中に爪を立てたら折角のアートが剥げ
たという際どい話も無造作に出て来て、みんな「キ
ャハハー!」と笑い飛ばす。

 彼女にとって、マニキュアは剥げると経済的ダメ
ージが大きいが、セックスは何度やっても磨り減ら
ないから重要度が低いのだそうだ。なお、彼の背中
の皮膚は、象アザラシみたいだから、何度爪を立て
ても傷まないし、反って自分の爪を研ぐのに便利で
あるらしい。

 干物の私も隅の方で、そんな話にケケケと遠慮
勝ちにニヤつくから、これも楽しみの一つになって
いる。

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