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敏洋’s 昭和の恋物語り

青春群像 ご め ん ね…… 祭り (十二) 

2023年09月10日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 境内の入りぐちの大きな木のしたで、街灯の光からかくれるようにしながら公園をのぞきこんだ。ずらりと並んでいた夜店だったが、テントと材木に分けられてきちんと整理されていた。なにも残っていない、空間だけのところもあった。足下を見てみると食べものの残りかすやら発泡スチロールの皿があり、そして割りばしとともに紙コップが散乱していた。ときおり吹く風にカサコソと音をたてる。あわてて人がいるのかと目をこらすが、人影はなかった。そういえば祭りが終わったあとに、小銭ひろいをする輩がいるといると聞いたことがある。先日の花火大会が終わったあとに、懐中電灯があちこちで光っている光景を思いだした。
 めざす小屋は、大通りに面したかどにある。向かい側は商店がたちならぶところで、人家はなかった。これなら誰かに見られることもなく連れだすとができるぞと、友人はよろこんだ。「あの人は、どこだ? どこで寝てるんだ」「どこだろうね、ほんとに」 小屋のまわりを音をたてぬようにと歩きながら、小声で声をかけあった。
ふたり寄りそいながら、なん度も「どこだ」「どこだろうね」と声をかけあい続けた。怖かったのだ。街灯は遠くにある。ここまでその灯りは届いてはくれない。境内に張り巡らされていた電灯は、すべて消えている。月明かりだけが頼りだった。けれどもその月にしても、ときおり雲間にかくれてしまう。ややもすればくじけそうになる、こころの移ろいそのものの月だった。

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