遠くで汽笛を聞きながら

「4子置け」--- でも.... 

2023年08月04日 ナビトモブログ記事
テーマ:囲碁

ふと、Kさんのことを思い出した。

大学を卒業して入った会社での直属の上司で、身体は細く背もあまり高くなく10歳以上年上なのにすごい体力があった。体力、知識、経験、人脈のすべてが上で、「ほとりはダメだなあ」が口癖で20年以上経っても言われ続けた。ある程度歳をとればいろいろあって反論したい時もあったけれど、大先輩なので我慢した。

会社に入る前に暇な期間が少しあったので、日本棋院へ行き3級の認定をもらった。確か6級をもらいに行ったような記憶もあるが、連勝したからか3級だった。

会社に入ってKさんに「ほとり」は囲碁できるのかと聞かれ「3級です」と答えると、「4子置け」と言われて対局した。
囲碁では、負けた時に「ああ、あの時ああ打っていれば勝てたのに」という反省をする人が多い。Kさんには特にその傾向が強く、明らかに私のほうが強いのに、「4子置け」と言われ続けた。

手合い違いは碁の内容が荒れるので、私は日本棋院から初段の免状をもらい「初段取りましたよ」というと、Kさん「へー、強くなったんだな」と言って「4子置け」とは言わなくなった。
やれやれと思っていると、まもなく「俺も初段ぐらいあるらしいよ」と言い始め、以前のように上から目線に戻ってきた。
それで仕方なく「私のほうが上」と言いたいがためだけに二段の免状を取得した。その後は退職するまで、私のほうが強いことを納得してくれていたようだ。


Kさんとは普段からよく酒を飲んだ。「ほとりはダメだなあ」と何度も言われたが、仕事面ではそうかもしれないので反論はしなかった。
何故かわからないが、ふとKさんを思い出した。



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