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敏洋’s 昭和の恋物語り

水たまりの中の青空 〜第二部〜 (二百六十七) 

2022年10月05日 外部ブログ記事
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「御手洗さま、失礼致します。女将のぬいでございます」カラカラと格子戸の開く音がして、襖がすっと開いた。「やあやあ、すみませんです。お忙しいだろうに、女将を呼んだりして」 大仰な手振りで、女将の手を取る武蔵だ。“ほお、これはこれは。華奢に見えたが、どうしてどうして。細い指ではあるけれども、結構力があるぞ。握り返してくるこの感じ、中々のものだ”「とんでもございません。すぐにお伺いするつもりが、遅くなってしまいました。ほんとうに申し訳ありません。あらためまして、本日は当高野屋旅館にお出でいただきまして、誠にありがとうぞんじます。誠心誠意、つとめさせていただきます」
「なになに、美人の女将のお誘いだ。断ったりしたら、罰が当たると言うものです。実は女将を呼び立てしたのは、他でもない。当地の特産品についてね、ひとつご教示願おうかと思って。道々でお話したとおり、東北の特産品を扱うことに決めたのです。そこまでは良かったけれども、とんと物が思い浮かばない。それにもまして、一体全体どこに行けば良いのかと思案中です。最悪役所に駆け込もうかと考えてはいるのですが、ちとみっともないのではないか……と。軽く見られるのも、性分からして許せないし。今回は勇み足だったかと、後悔の念が湧いてき始めているんです。助けてもらえませんか、是非に」“なあに、目星は付けてあるんだよ。でもまあ、女将と話がしたくてね。それで呼んだけれども、さてとどうするか? 仕事のことは早めに切り上げて、艶っぽい話でもしようや”
「あらあら、あたくしのような素人に教えを請われるなんて。社長さま、案外無鉄砲でございますね。それとも、おからかいになられてます? そのお顔からして、大体の目鼻をお付けになられているのでは? でもまあ、承知致しました。鉄器類を扱わられるおつもりでしょうから、見知りおきの工房をご紹介させていただきます。それに、こけしはいかがでしょう? キナキナこけしが当県産でございますが、お隣の県ではございますが、宮城の鳴子こけしなどもお宜しいかと思います。失礼いたしました。キナキナと申しますのは、頭の部分がくらくらと動く人形でございます。東北では赤子のおしゃぶりとして、出産祝いなどに大変重宝されておりますよ。農民たちが一年の疲れを取るためにと温泉に出かけた折の、子どもたちへのお土産物として作られております。懇意にしております工人がおりますので、是非そちらにもお立ち寄りください」

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