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ほっこり
おばけ(小話)
2019年08月21日
テーマ:小咄
この話は昨年11/6に投稿したものの再掲載です。
小話にイラストを添える目的で過去に書いたものを読み返しています。
この落語形式が自己評価では出来がいいほうか?
駄作ばかりで恥ずかしい限りです。
ご覧頂いてない方もいらっしゃると思い、再掲載しました。
過去に書いた話の大半は忘れています。
どんな精神状態で書いたのかと思います。
★おばけ
表通りはどんよりと曇り、今にも雨が落ちてきそうな空模様であった。
熊「ご隠居さん、幽霊とお化けはどこが違うんですかい?」
ご隠居「美しい女性が亡くなって幽霊になり、そうでない女の有象無象がお化けだ」
熊「どちらも死んでから化けて出てくるんじゃないんですかい?」
ご隠居「いや、そうとばかりは言えぬのじゃな、これが。幽霊は美しいぞ。ただし、見分け方があるんじゃよ」
熊「どんな風にですかい?」
ご隠居「ぞくっとするんだな、幽霊の場合は。背中に電気が走る。そして顔を見ると、血の気が引いて凍りつくような青ざめた顔をしておるのじゃが、その美しさといったらこの世のものと?思えぬのものじゃ〜ぞくぞくする。明日の晩も又お越しくださいと手を合わせてしまう」
熊「でも、幽霊ってこの世の者じゃないんでしょう。そもそも、お化けもそうですよね、だったら、一緒じゃないんですかい?」
ご隠居「馬鹿をいいなさんな。いいかい、幽霊はこの世の者じゃない、だからこそ美しさと気品がある。絶世の美人とも言うじゃないか。美しい女人がこの世に未練を残して死んで化けて出るから幽霊になる。しかし、そこらへんのオカチメンコがそうなっても幽霊とは言わぬ。それは、お化けじゃ。で、おぞましいことに、お化けという奴はこの世とあの世の区別がつかぬ生き物、この世にもたくさんおるぞ。絶世ではない」
熊「と言う事は、美しい女人が死んだら幽霊で、そうじゃないその他大勢は化け物なんですかね?」
ご隠居「おい、熊さん、もし、あの角の呉服屋の美しい娘、お菊さんが死んだとしたら何になると思う?」
熊「さぞかし、美しい幽霊でしょうね。今でも背筋がぞくっとするくらいの器量良しで美人だ」
ご隠居「そうじゃぁな、でも、熊さん、お前のかみさん、おヨネさんならどう思う?死んだら幽霊になるかな?」
熊「あいつは鬼ですぜ。いつも眉間に青筋立ててあっしに噛み付いてきやがる。顔ぱんぱんに膨らませた赤鬼で
すよ。あいつが死んだら赤鬼が青鬼に変わる位に違いねぇ〜です。ばけもんですよ!」
いつしか、外では激しく雨が降っていた
ご隠居「そうじゃな。幽霊にはなれんな。お化けはいつ見れると思うかい?教えてやろうか・・。それは不意にやってきて脅かしやがる〜例えばだな・・」
丁度、そこへご隠居のおかみさんが帰って来た
暖簾を開き、いきなり顔を出した
「あら、熊さんお久し振り」
熊「ぎゃ〜、出た〜!」
おかみさんは、急に降り出した雨に打たれ、ずぶ濡れになって帰って来たのだ
髪は乱れ、おしろいは無残に落ち、泥だらけ
長い髪をくわえて、目を細めて笑う
しかも、下駄の片方の鼻緒は切れている
お歯黒をした八重歯がきらりと光った
ご隠居「熊、今じゃ、よ〜く見ておけ、お化けは生きておる!」
熊さんが帰った後、
ご隠居は三和土(たたき)で、おかみさんに叩きのめされたのであった。
・・・
※今回は再掲載につきコメント欄を閉じました。
♪レッド・ツェッペリン〜天国への階段
https://www.youtube.com/watch?v=QkF3oxziUI4
当時の(ロック)ギター小僧が皆、コピーに励んだ名曲です。
★「判断」に拍手、コメント頂いた皆様ありがとうございました。
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