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敏洋’s 昭和の恋物語り
ごめんね…… (十四)
2018年03月28日
テーマ:テーマ無し
小屋の裏手に、煌々と電燈が灯り、プンプンと酒の匂いがする別の小屋があった。
十畳いやもう少し広いだろうか、板塀の小屋だった。
小さな窓から中を覗き込むと、七、八人が車座になっている。
そして並々と注がれたコップ酒を、次々に空にしていた。
その中には、座長が居た。
短剣を投げて喝采を浴びた中国人風の男も居た。お手伝いをしていたチャイナ服が眩しかった女性も居た。
割り箸をチリ紙で叩き割った武士道の先生も居た。
皆、顔を赤くしている。
そしてひと際大きな嬌声を発している、あのへび女が居た。
舞台の上で着ていた真っ白な着物姿で、やはりコップ酒を飲んでいた。
大きく胸元をはだけている。
身振り手振り大きく、話している。
白く盛り上がった乳房が目に入った時、二人とも思わず目を伏せた。
「どういうことだ、どういうことなんだ!」
「へび女だよね、間違いないよね。
一緒に居るよね、お酒を飲んでるよね」
そして改めて覗いた時、今まさに、彼らに封筒が手渡されているところだった。
その中身が何であるかは二人にもよく分かった。
そして何より、友人はもちろん私にも衝撃だったのは、皆が皆、あのへびを食べていたことであった。
その瞬間、私の胸の熱いものがスッと消え、目頭に熱いものがこみあげてきた。
横の友人を盗み見すると、唯黙りこくっていた。
ギラギラとした光が、目から消えたように感じられた。
お互い何の言葉もなく、急に重くなった背中のリュックー炭酸飲料に菓子パンにインスタントラーメン、そしてせんべいの入ったリュックをお互い見つめ合い、どちらからともなく笑った。
そして友人の目に涙が光り、私の涙は頬を伝っていた。
幾重にも重なったその夜の月は、今でも脳裏に浮かんでくる。
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