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敏洋’s 昭和の恋物語り

[宮本武蔵異聞] 我が名は、ムサシなり!(二十七) 

2017年10月01日 外部ブログ記事
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 佐々木小次郎との闘いにおいて勝利したムサシは、今度こその思いで小倉屋に戻った。
賞賛の声で迎えられるものと信じていたムサシに対し、主の出迎えはなかった。
表から入ろうとするムサシに対し、慌てて手代の一人が小声で「裏手にお回り下さい」と告げた。
 怪訝な面持ちのムサシを待っていたのは、あれこれと世話を焼いてくれた番頭だった。
破顔一笑で近寄るムサシに対し、「ムサシさま。誠に残念ではございますが、御指南役のお話は流れてしまいました」と、苦渋の表情を見せつつ告げた。

「話が違うではないか。佐々木小次郎を倒せば、今度こそ間違いなく剣術指南の道が…」
呻くようなムサシの声を、番頭が冷たくさえぎった。
「ムサシさま。あなたさまのお姿を、この川にお写しごらんください。
そして手前と見くらべて下さりませ」
「姿形が、どうしたという……」
 生まれてこの方、髪結いなどとはまったくに縁のなかったムサシである。
育ての親のごんた同様に、後ろで縛っているだけだった。
長く伸びた折には、小刀でもってざっくりと切り落とすだけだった。

 赤ら顔で太い眉に青い目、そして鷲鼻の先は酒焼けでもって赤くなっている。
どれを取っても番頭とは似つかわぬ顔立ちだ。
「しかし…だからといって…」
口ごもりながらも納得のいかぬムサシに対し、
「ムサシさま。あなたさまの剣技は、ムサシさまならではのものでございます。
並みのお侍ではご無理でございましょう。
さらに申し上げますれば、宍戸梅軒さまとの試合においては、お刀を投げ捨てられたとか。
武士の魂であるお刀をです。
これ一つ取りましても、『武士たる者の所行か』となりまする。
そして吉岡一門との決闘における二刀流然り、更にはこのたびの櫂を削られての木剣然りでございます。
戦国の世ならばいざ知らず、太平の世に向かいつつあるこのご時世でごさいます。
どうぞお察しを」
と、番頭が深々と頭を下げた。

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