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吾喰楽家の食卓

誕生日のサプライズ(追記あり) 

2017年08月14日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

昨日、国立演芸場で、歌丸師匠の元気な姿を拝見して来た。
前回、歌丸師匠の高座を観たのは、四月中席の二日目のことで、演題は『中村仲蔵』だった。
ところが、その数日後に体調を崩し、入院した。
その為、用心したのか、今回の中席は、奇数日だけ高座に上がる。
偶数日は、副会長の小遊三師と、最近、落語芸術協会に加わった円楽師が、トリを務める。

十日間十一公演、チケットは完売になっている。
当然ながら、奇数日は直ぐに満席になり、その後、偶数日も売切れた。
ところが、開口一番、前座の遊七さんが高座に上がったとき、最前列と二列目は、半分ほどの席が空いていた。
今回、私は三列目しか取れなかったので、前列の様子がよく見えるのである。
通常、満席でない日でも、前の方の席は、殆ど埋まっているのだ。

続いて、二ツ目の夏丸さんが高座に上がった。
お馴染みの『代書屋』を口演し、結構、会場を沸かせた。
流石、真打昇進が決まっている噺家である。
口演の後半、舟木一夫の『高校三年生』を三番まで熱唱した。
二番の途中で、下座から鉦が一つ鳴ったが、構わず歌い続けた。

真打のトップは、遊雀師である。
お馴染みのマクラで、歌丸師匠をいじり、客席を笑わせた。
そして、鉦を鳴らしたのは、円楽師だと暴露した。
演題『堪忍袋』でも、大いに笑わせた。
夫婦喧嘩で女房が泣きながらしゃべる様は、師の十八番と云ってよいかも知れない。

次の文治師は、『木曽義仲』を口演したが、間にクスグリを入れていた。
クスグリの方が多く、後で高座に上がった円楽師に、「『木曽義仲』ではなく、漫談」と、いじられる程だった。
そして、コントを挟み、中入りは円楽師である。
桂文枝作『読書の時間』を口演し、会場を大いに沸かせた。
それなりに面白かったが、新作ではなく、古典を期待していたので、個人的には残念だった。

中入り後のクイツキは、小南治師が『ドクトル』を熱演した。
桂小南の襲名が決まっており、国立演芸場では、十一月中席に襲名披露公演をする予定とのことだ。
ものまねを挟み、お目当ての歌丸師匠が高座に上がった。
勿論、既に空席は埋まっていた。
演題は、三遊亭圓朝作・語り直して牡丹灯籠『お露新三郎 出逢い』で、持ち時間は五十分と長い。
感想は別の機会に譲る。

大拍手の中、幕が下り、幾つか掛け声が掛かったが、拍手の凄さに消されて聞こえない。
幕が下りきっても、誰も席を立たず、余韻に浸っているようだった。
すると、再び、幕が上がり始めた。
落語の公演で、アンコールは、極めて異例なので驚いた。
出演者の殆どが、私服で集合していた。
他にも、遊馬師や東京ボーイズのお二方の姿が見えた。
歌丸師匠とケーキを囲み、ハッピーバースデートゥーユーの合唱が始まった。
本当の誕生日は、今日、八日十四日だが、高座に上がらない日なので、一日早めたのである。
今年で、満八十一歳になる。
お礼の挨拶で、歌丸師匠は、来年の予定を披露した。
四月中席では『小間物屋政談』を口演、演題は決めてないが、八月中席も出演するつもりだという。
ご本人は、「もし、体が持てば」と云っていたが、とんでもない。
来年も、元気な姿を見せて欲しいと、願っている。

   *****

写真
8月13日(日)の昼餉(レバニラ定食)と演題(8月中席)

※追記
8月14日9時40分現在、今日(14日)の公演で、空席が4席あります。
キャンセルが出たのかも知れません。
ただし、歌丸師匠は出演しません。
中入りは米助師、トリは小遊三師です。



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emuさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

サプライズの様子を、録画していたのは気が付きました。
テレビ局だったんですね。

実は、もう一回、この公演を観ます。
次回は、最前列のど真ん中です。

2017/08/14 09:18:19

emu

emuさん

おはようございます
朝のニュースで歌丸さんの様子を伝えてました。
いつまでもお元気で続けて頂きたいですね。
「笑点」の司会をなさっている時も面白かったです。

2017/08/14 09:06:40

シシーマニアさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

書き立てのブログに、早速のコメントを有り難う御座います。
昨日の情景を思い出しながら、興奮冷めやらぬ思いで書き上げたので、推敲不足です。

円楽さんが、歌丸さんの病状をマクラで話していました。
一時的ですが、深刻な状況だったようです。

高座で倒れるのを覚悟して、出演しているように感じました。
顔の色つやは良いのですが。

2017/08/14 08:34:00

生の舞台は

シシーマニアさん

目の前で、色々な情景が見られて、楽しいですね。
私はまだ、経験がありませんけれど。

クラシックでも、演奏家の誕生日に、聴衆が一緒にハッピバースディーを歌ったりとか、良い光景ですね。

とくに歌丸師匠は、健康が心配されているだけに、感慨もひとしおだった事でしょうね。

こういうサプライズは、足繁く通っている常連さんへのプレゼントですね。

2017/08/14 08:24:21

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