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吾喰楽家の食卓

見得をする(追記あり) 

2016年11月20日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

在り来たり言葉であるが、「光陰矢の如し」を実感している。
昨夜、十一月の『銀座風流寄席』を楽しんだ。
この寄席は、毎月、第三土曜日に開催されている。
鳳楽師匠の都合で、第二土曜日に変更されることもある。
何れにせよ、私にとって、一ヶ月の経過を感じさせる行事になっている。
最近、その一ヶ月が、実に速いのだ。

今回の演題の『淀五郎』は、あらかじめ発表されていた。
『仮名手本忠臣蔵』で塩冶判官(※)を演じる、淀五郎という歌舞伎役者の噺なので期待していた。
山口瞳さんが、自身の著作『旦那の意見』で、この噺を扱っている。
本を読んだときは『淀五郎』も、『仮名手本忠臣蔵』も知らなかったが、今は違う。
先月、国立劇場で、梅玉が演じる塩谷判官を二回観ている。
鳳楽師匠が、如何に『淀五郎』を口演するか、楽しみにしていた。

噺家の鈴々舎馬桜は、自身が管理する掲示板で、次の主旨をコメントしていている。
>「トンボをきる」「見得をきる」と云う人がいるが、言葉の使い方が間違っている。
>トンボは返るであり、見得はするものである。
私は、このことを知らなかった。
馬桜師匠は、間違った使い方をしている噺家がいることを、嘆いていた。
『淀五郎』は、人情噺の中では、芝居噺に分類されている。
トンボや見得という言葉が、使われる可能性がある。
鳳楽師匠が、どの様に口演するかも、興味深かった。

定刻、噺が始まった。
マクラの中に、「見得をする」が出てきた。
さすが、鳳楽師匠である。
正しい言葉遣いに、ほっとした。
しかし、私自身は「見得をきる」で、良いと思っている。
言葉は、生き物である。
時代と共に、変わってもやむを得ない。
近年、「お茶をする」という表現が、女性を中心に広まっている。
お茶は、するものではなく、飲むものである。
言葉遣いに拘る馬桜師匠が、別の日の掲示板では、「お茶をする」を使っていたのが、私には不思議だ。

   *****

写真
11月19日(土)の昼餉

※塩冶判官は、他に塩谷や塩屋の表記もあります。ここでは、現在、公演中の国立劇場のカタログ標記に従いました。



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村雨さんへ

吾喰楽さん

こんにちは。

「お茶にする」とか「お茶にしましょう」なら、昔からある云い方ですね。

似たような意味で「一服する」が、あります。
喫煙が嫌われている昨今、「お茶する」とは逆に、死語になるかもしれません。

私は自身は「お茶する」は使わないと思いますが、この先、更に広まるでしょう。

2016/11/20 12:52:42

たしかに

さん

トンボを切るだと思ってました。

最近の「お茶する」には、お茶を飲むだけではなく、女子トークの入った女性間で通じるシャレた新しい言語でいいな、と思っていました。

2016/11/20 12:10:18

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