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敏洋’s 昭和の恋物語り

[舟のない港](八十八) 

2016年07月29日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



娘の顔がほころぶのを確かめると、男はタバコに火を点けた。
「一本ちょうだい」と言う娘に、一瞬躊躇したが、その愛くるしい目に負け一本渡した。
娘は、慣れた手つきで火を点けた。

「ところで、名前は? 呼び名位はいいだろう?」
「あ、そう言えば、おじさんの名前も知らないや。
あたいはね、みんなに、お恵って呼ばれてる。おじさんは?」

「おじさんか、笑うだろうなあ、きっと。
御手洗と書いて、みたらいと読むんだよ」

「ホント? ククク、ごめんね。でも、面白い名前だね、ホンとに。
でもピッタリだよ。あたいのこと、変な目で見なかったもん。
だってさ、トイレは誰のでも優しく受け入れてくれるよ。
みんなの汚いものを。ク、ククク」

娘の屈託のない笑顔で言われると、男も思わず苦笑した。
「なるほど、その通りだ。面白いことを言うね、気が付かなかったな。
ハハハ、面白い娘だ」

男は、久しぶりに腹の底から笑った。
あまりの笑い声に、他のお客からひんしゅくを買うほどだった。

「ねえ、おじさん。今日これからどうするの?」
「予定はないよ。どうしてだい?」
「それじゃさ、高原に行こうよ」

娘は目を輝かせて、男にせがんだ。
男の隣に席を移すと、まくし立てるように話した。

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