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敏洋’s 昭和の恋物語り

[舟のない港] (八十一) 

2016年07月20日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 車中の時計は午後十時少し前を指していた。
二人共、このまま帰る気にもなれずにいた。

「ひと休みするかい?」
「そうね、時間も早いし」

「あの時の僕は、とに角若かった。
愛しているが為に、君に満足な生活を与えようとしすぎた。

経済的ゆとりにこだわり続けたようだ。
それが為に、君を待たせ続けてしまった。

君にとっては、不安な日々を送らせてしまった。
悪かったと、思っているよ」

「いいえ、私も悪かったのよ。
そんな貴方の気持ちに気づいていれば」

 そっと握られた手に、夫には感じられない熱いものを、麗子は感じた。
愛情の表現を、物品でしかできない夫に感謝しつつも、不満が残った。

仕事の激務さと年齢的なものもあるのだろうが、性生活は満足できるものではなかった。
淡泊な性格であることも麗子には不満だった。

結婚当初こそ麗子に応える夫だったが、半年と経たぬうちにベッドを別にすることになった。

夫の統括する繊維部門が積極策をとることになり、海外メーカーとの合弁会社設立交渉が始まることになった。
勢い海外出張が増え、一人の夜を悶々と過ごすことになった。

 先日のことだ。
思いもかけぬ言葉が、夫の口から聞かされた。

「わたしも、五十半ばになった。
麗子はまだ、三十路に入ったばかりだ。
性生活において不満を感じていることは知っている」

「わたしはそんな」という麗子の言葉を遮って、
「いいんだ、当たり前のことだ。そこでだ、海外出張中ならば、外泊をしても構わない。
実家に帰るも良し、お友だちとの旅行も良し、好きにして構わないから」と、告げた。

言外に、浮気をしても良いと告げていた。
但し、私が国内に居るときは私だけの麗子でいてくれ、と添えられた。

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