メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

人生日々挑戦

「豚千頭湯がける鍋」 

2016年06月25日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句ポスト投稿

 最近、俳句作りがとみに盛んになってきているという話を聞く。それは、俳人、津軽わさおとしても、嬉しい限りである。

 そんな中、全国の俳句作りのサイトで最も熱気に包まれているのは、「俳句ポスト365」であろう。「俳句ポスト365」は、愛媛県の松山市が運営する俳句の投稿サイトだ。

 「俳句ポスト365」では、入選が「天、地、人、並」に分かれる。入選の「天、地、人、並」の内訳は、各回、天の俳句1句、地の俳句9句のほか、大体、人選の俳句200句、並選の俳句300句だ。

 人選と並選の入選句といえども、全体3,000句程度のたった17%にすぎない。

 天・地の俳句になると、全体3,000句の中で10句だ。これは、至難中の至難である。津軽を拠点とする俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による天・地の俳句への挑戦は、これまで19回を数えるが、まだ天・地の俳句に入ったことはない。


 直近の「俳句ポスト365」の第147回 2016年5月12日週の兼題の兼題は、「ごきぶり」である。兼題の説明に曰く。

ごきぶり(夏の季語)ゴキブリ目に属する昆虫の総称。油虫。体は扁平で幅広、触覚は糸状で長い。夏になると台所などに出て人に嫌われる。「御器噛り(ごきかぶり)」が転じた名だとされている。

 兼題「ごきぶり」に係る天選1句と地選の11句を以下に掲げる。

 すうすうとごきぶりひげを揺らしをり  クズウジュンイチ 天選
 
 形勢はごきぶり飛んで逆転す  ごぼうの花 地選

 ごきぶりの住まい阿弥陀の尻あたり  クラウド坂上 地選

 神饌も順路の一つ油虫  樹朋 地選

 逃げ切りしごきぶりに壁高からず  江戸人 地選

 ごきぶりの一番多く死せる壁  大塚めろ 地選  

 ごきぶりをくるみ新聞よく燃える  石川焦点 地選

 ごきぶりのくぐる延長コードかな  希望峰 地選

 豚千頭湯がける鍋や大ごきぶり  ウェンズデー正人 地選

 ごきぶりを閉じ込めちゃった薬箱  樫の木 地選

 ごきぶりのフェロモン臭きマッチ箱  ポメロ親父 地選

 ごきぶりや掛川ターミナルホテル  ちびつぶぶどう 地選

 そして、以下に掲げるのは、俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による人選2句と並選3句である。人選2句と並選3句だが、俳句集団結成後9か月弱の初心者集団としては、健闘である。

 春ひさぐ濡場ごきぶり盗み見る  津軽わさお 人選

 放哉やごきぶりの目のまろきこと  篠田ピンク 人選

 石炭を噛りて生きし油虫  津軽ちゃう 並選  

 ごきぶりの油の光る恨み節  津軽まつ 並選  

 隕石を噛り地球へあくたむし  野々原ラピ 並選


 以上のように、天・地の俳句と人選・並選の俳句を並べてみると、違いがある。
 
 どこが違うのか。天・地の俳句は、着眼点が独特であるし、表現の仕方がいい。それによって、読者が感じるなるほど感と味わいが深い。

 だから、いい俳句を作るポイントは、できるだけ独特な着眼点で、できるだけいい表現で、できるだけ読者のなるほど感と味わいを深めることにある。

 「俳句ポスト365」の選者にして、今をときめく俳人、夏井いつき先生のお使いになる表現をお借りすれば、天・地の俳句は、「発想のオリジナリティと描写のリアリティ」に優れ、「上質な詩になっている」、ということであろう。



私の人気ブログランキングへの応援のため、
ポチッと↓をクリックお願いします。
http://blog.with2.net/link.php?1546952 



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

PR







上部へ