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敏洋’s 昭和の恋物語り

にあんちゃん 〜介護施設で働き出した〜 (二十) 

2016年02月16日 外部ブログ記事
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 施設の事務室でのことだ。

 「怖い思いをさせたわね。しばらくお休みしなさい。
特別休暇をあげるから、自宅に戻りなさい。
これからのことも含めて、じっくり考えなさい」

 主任介護士に声をかけられるほのかだが、恐怖心が消えぬ今、道子に会いたかった。
道子の胸で泣きたかった。

「お兄さんね、お母さんに言われて様子を見に来たんだって。
大丈夫よ、事件にはならないから。今、施設長が警察でお願いしているから」
「にあんちゃん、大丈夫なんですね。ほんとに、大丈夫なんですね」

「でね、鈴木さん。言いにくいんだけど、坂本さんのこと、許してくれないかしら」
 思いも寄らぬ言葉が発せられた。
事を騒ぎ立てるつもりは、ほのかにはなかった。

恐ろしい思いはしたものの、実害があったわけでなしと思っていた。
しかし、相手側からの謝罪もない今の今に話題にするべきではないはずだ、と思えた。

「お兄さんのことはね、不問に付してもらうから。
事情が事情とはいえ、暴力を振るってしまったわけだし。
警官の方が止めに入られたことで、現行犯ということになって…。
でも大丈夫。施設長がうまく話を進めて下さってるから。
公になれば、園にもまずいことになりますからね」

 理不尽なことだと思いつつも、施設長の命では話さざるを得ない。
「いいですか、あなたにも監督責任があります。
聞けば、以前からセクハラを受けていたというじゃないですか。
担当替えも視野に入れるべきでしたね」

 己の保身からではないのだ、と主任看護師は己に言い訳をした。
そして
「鈴木さん。とにかく早く立ち直って下さい」
 そう言い残した後に、封筒をほのかの手に持たせた。

 廊下を歩く職員たちが、聞こえよがしに話しながら歩いて行く。
「隙があったんでしょ、きっと」
「媚びすぎなのよ、あの娘は。なんでもかんでも『はいはい』だったもの」

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