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老いてなお

渚にて 

2016年02月07日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

昔の映画だが、先を見越した原子爆弾の脅威を見事に映像化してある。

第三次世界大戦(核戦争)で北半球が壊滅、南半球オーストラリアの一角に生き残った人々が、放射能で半年後に死に絶えるまでの日々を描いた衝撃の一本。

“衝撃”といっても、描かれているのは阿鼻叫喚の地獄絵図ではなく、普段どおりの暮らしを続けている人々。その日常生活の中で、何十年も寝かしていた家宝のワインを開けたり、ずっと秘めていた恋の告白をしたり、政府が安楽死の薬を配布するシーンなどが挿入される。グレゴリー・ペックの好演が光るが、全くダンスシーンのないフレッド・アステア(の死)が何より印象的だった。

映画の中のセリフ、「時間がないと価値観が変わる」というのは真理だと思う。

半年で死ぬのに財産や身分に何の価値があろう。第三次世界大戦が勃発し、核爆弾のコバルト爆弾による放射能汚染で北半球は壊滅した。

核戦争を海中でやりすごし生き残ったアメリカ海軍の原子力潜水艦スコーピオン号は、南半球に位置するオーストラリアのメルボルンへ寄港する。

汚染の南下が確認されて人類の滅亡が避けられないと認識されると、多くの市民は南進による延命を選択せず、配布される薬剤を用いて自宅で積極的な安楽死を望み、死を覚悟しながらも残された人生を楽しむ。

メルボルンでも大気中の放射線量が上昇し、被曝した急性放射線症患者らが服薬し始めて徐々に街が寂れていく。艦長はオーストラリアで被曝するよりもアメリカ海軍軍人としての死を望み、賛同する乗組員と共にスコーピオン号をオーストラリアの領海外で自沈させることを選んだ。 

ご覧になった方はご感想を、ご覧になってない方は是非ご覧になって頂きたい。



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