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女目線の職人シリーズ�I^^;　

2015年12月20日
テーマ：仕事

〈　熊とロン　〉

内装担当の熊監督とロン監督。

勿論本名ではない。

熊監督はなんとなく風貌が熊に似ていた。
日本の月の輪熊のような感じ。^^;
彼とは殆ど会話もなく、
良い印象もないが、悪い印象もない。
要は影が薄い・・・。

ロン監督は映画ハリーポッターの
ロン・ウイズリーに顔も性格も
どことなく似ていた。
人の良さそうな、気弱な感じの
何か頼みごとをされると断れないお人好し。

彼もまた人見知りが激しかった。
本人曰くだが、私とは初対面からよく喋っていた。

監督とは初日に携帯番号を交換する。
他業者とも交換する事がある。

現場監督がダメダメのときは業者同士で
打ち合わせをして、勝手に段取りする事もある。

グチャグチャな現場では
自ずとそうならざるを得ない。

ロン監督はおっとりしていたが
仕事はちゃんとしていた。
それが普通だと思うのだが
この普通のことが出来ない人間が
結構いるのですね。^^;

ある日　ロン監督から
「かおちん、○棟△号室に来て。」とTEL。
（親しくなると殆どの人が名前で呼んでくれる。）

その部屋へ行くと
大工さんと、木建て屋さんがいた。
不具合があり、クローゼットを直すというのだ。

４人で打ち合わせし、
ロン監督と２人になると、施工賃の交渉。

かお　「剥がしに○時間かかって張り替えに△時間。巾木と見切りと下枠も絡むから1.5人区だな。」　

ロン　「え？1人区にまけてよ。
焼き肉おごるからさあ〜。」

かお　「お、焼き肉〜？でも叙○苑のね。」

ロン　「安楽○じゃダメ〜？」

かお　「嫌なら1.5ね。」

ロン　「わかったよ、じゃ叙○苑で。」

こういう会話は所っちゅうしていたが
結局一度もご馳走してもらったことはなかった(笑)

ロン監督とも波長が合い
私達はよく喫煙所で待ち合わせしてお茶をした。

当時32才。
病的に嫉妬深い恐妻のことを話すとき
本当に脅えたように話す彼の顔が可笑しく
よく吹き出して笑った。

優しく穏やかで誠実な人。
いつか、ゼネコン辞めて
花屋をやりたいと言っていた。
夢は叶ったろうか。

「初対面からこんなに話せたの初めてだよ。」
と、彼は言っていたけれど
あなたは元々ちゃんと話せる人なのですよ・・・。

ロンと花沢類監督とは
また逢いたいな〜なんて思ったが
別に逢いたいと思っていなかった
熊監督には2度、
道明寺監督とは3度、
このあと現場で逢うことになる。

世の中は不条理だ・・・。
逢いたい人には逢えず、
逢いたくない人には巡り逢ってしまう・・・。

私に才があればここで一句……。
しかし、才がないから何も浮かばない……。(笑)

　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく^^;



写真は東京ドイツ村のイルミネーション☆

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