メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十二) 牧子が、現れた。 

2015年05月11日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



彼がラーメン屋を出ると、やっと陽も落ちていた。
微風ながらも風が吹き、暑さも少し和らいでいた。
満腹感を覚える彼は、頭痛も随分と和らいでいた。
このままアパートに立ち戻る気になれない彼は、散歩がてらに食料の買い出しをすることにした。
外食ばかりでは栄養の偏りも気になるし、何より出費が大きすぎる。

「やっぱり、もう一人家庭教師を引き受けるべきだったかなあ」
塾の経営者に持ちかけられた話を断ったことに、少し後悔の念にかられた。
彼としては少し本腰を入れて、源氏物語を読破してみたかったのだ。
大学の図書館から、取りあえず「桐壺・帚木・空蝉・夕顔・若紫」を借り出してみた。
しかし、すぐに後悔した彼だった。
というのも、原文での書籍を借りたが為に、なかなかの事に進まなかった。
翻訳物と借り換えをするつもりでいながら、そのままになっていた。

スーパーでの買い出しの帰りに、少し遠回りにはなるのだが牧子のアパートの前を通る気になった。
帰っている筈はないのだが、アパートを見たくなったのだ。
牧子から、合い鍵は貰っている。
牧子からも、冗談交じりとはいえ
「たまには、掃除をしてね」と、言われもした。
「そうだよ。掃除をする見返りに、風呂を借りようか」
そんな思いに駆られた彼は、浮き浮きとした気分で、牧子のアパートに向かった。
道々、牧子を思い浮かべながら歩く彼だった。
時折思い出し笑いをする彼に、行き交う人が怪訝そうな表情を見せた。

牧子のアパートが近づくにつれ、彼の心臓が早鐘のように波打ち始めた。
掃除をしている自分を想像するだけで、体がカッと熱くなってきた。
「汗が出るんだ。風呂を使うのは、当たり前じゃないか。
疲れるぞ、きっと。歩くのも、嫌になる位にだ。
泊まったとしても、おかしくないじゃないか」

牧子の部屋を見上げると、驚いたことに灯りが点いていた。
まさか! と思いつつ、階段を駆け上った。
ドアを軽くノックすると
「はーい、どなたあ?」
と、牧子の声が返ってきた。
「ボク、です。タケ、、、」
言い終わらぬ内に、勢いよくドアが開いた。
牧子が、現れた。

>>元の記事・続きはこちら(外部のサイトに移動します)





この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR







掲載されている画像

    もっと見る

上部へ