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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十二) 牧子が、居た。 

2015年05月12日 外部ブログ記事
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Tシャツにホットパンツ姿の牧子が、居た。
額に汗を浮かべた牧子が、居た。
満面に笑みを浮かべた牧子が、そこに居た。
しかし何かしら違和感を感じさせる牧子が、居た。

「どうして、どうして、連絡くれなかったの!」
彼は、激しく詰め寄った。
「ごめんね。急だったから、連絡できなかったの。とに角入って、ねっ」
と、牧子は彼の手を取った。
と同時に、牧子の目からどっと涙が溢れ出た。
そして彼を抱き寄せると、
「ごめんね、ごめんね」
と、何度も呟いた。

突然の牧子の涙に、彼は返答に困った。
拗ねて拗ねて、拗ねまくるつもりの彼だったが、二の矢を失ってしまった。
言葉もなく、唯々牧子に抱かれているだけだった。
「ごめん、ごめん。さっ、上がって」
ひとしきり泣いた牧子は、彼を抱きしめたまま誘い入れた。

いつ、帰ったの?今日、、」
彼の問いかけを遮るように、牧子は彼の唇を塞いだ。
キスという甘美なものではなく、荒々しく吸い付いてくるものだった。
その荒々しさに、彼は奇異な感覚に襲われた。

”何か、おかしい”
彼は力の限りを尽くして、牧子から離れた。
いや、逃れた。
「どうしたの。今夜の牧子さんは、変だ。何かあったの?」
牧子の目から、また涙が溢れ出した。
堰を切ったように溢れる涙を拭うこともせず、牧子は彼にしがみついてきた。

「逢いたくなかった、逢いたくなかった‥‥」
呪文のように呟く牧子の言葉は、彼に重くのし掛かってきた。
彼を拒絶する言葉の裏側に潜む牧子の心を、彼が推し量れる筈もない。
一日千秋の彼にとって、思いもかけぬ言葉だった。

「そ、そんな‥‥」
絞り出すような彼の言葉に、追い打ちを掛けるように牧子は告げた。
「田舎に戻るのよ。もうこっちには、戻らないの」
「ど、どうして。どうして」
彼は力なく、そして恐る恐る牧子に尋ねた。

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