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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十一) 水たまりの中に足を 

2015年03月25日 外部ブログ記事
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気のせいか、耀子の瞳がキラリと光ったように感じられた。いつも以上に、妖艶さを感じた。
「残念だけどね。今夜は、お二人さんでどうぞ。この間、邪魔したことだし。ふふふ」
と、のぶこが意味ありげに相づちを打った。

「いやだ、のぶこ。誤解するような言い回しをしないでよ。ミタ君が、警戒するじゃない。
そうじゃないのよ、ダンス大会の説明なの。それに、ミタ君の指導も兼ねてね」
「はいはい、そう言うことにしましょ。耀子の指示に、従いなさい。
パートナーを、貴方に決めたらしいから。頑張るのよ、耀子の足を引っ張らないようにね」

耀子のマンションまでの道すがら、降りしきる雨は止むことがなかった。
耀子の持参した傘は小さく、彼の体の半分が濡れていた。
?そういえば、牧子さんの時もこんな具合だったな?
思わず苦笑する彼に、耀子が肘で彼の脇腹をつつきながら尋ねた。

「なあに? 思い出し笑いしてえ。もしかして、他の女性とも相合い傘したの?」
耀子の鋭い問いかけに、
「おおっと! わかりますか。実はですねえ、くくく。
ホントは、そんな色気のある話じゃないんです。吉田君と相合い傘をしたんです。
その時に傘を引っ張り合いしまして、柄が取れちゃったんです」
と、思わず誤魔化してしまった。
しかし、まるで嘘ではなかった。実際に、吉田との傘の取り合いがあったのだ。

「そう、そうなの。彼の力だったら、あり得るかもね。キャッ!」
奇声と共に、耀子が彼にしがみついてきた。
水たまりの中に足を入れてしまい、スニーカーが水浸しになってしまった。
「嫌だあ、もう。まだ、おニューなのに。ついこの間、買ったばかりなのよ。あゝ、もう」

鼻に小じわを寄せながら、如何にも恨めしそうに呟いた。
「おんぶしましょうか? 歩けないでしょう」
半ば冗談の積もりで言った彼の言葉に、
「そうねえ。人通りもないことだし、頼もうかしら」
と、予想外の言葉が返ってきた。
今更、冗談ですよとも言えず、彼はその場にしゃがみこんだ。

「いやあねえ、もう。冗談よ、冗談。本気にしないで。これでも、うら若き女性なんですから、ね」
快活に笑いながら、耀子は彼の肩を思いっきり叩いた。

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