メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

吾喰楽家の食卓

越後湯沢温泉の旅(その4) 

2015年03月20日 ナビトモブログ記事
テーマ:生活

“三国街道 塩沢宿”

不思議なことに、パトさんは、朝餉でビールを頼まなかった。
二日酔いしている様子はないから、自重していたのかもしれない。
午前10時、「行ってらっしゃい!」という、女将さんの声に送られて宿を出た。
次なる目的地は、塩沢である。
ローカル線で、越後湯沢から20分足らずの距離だ。

塩沢に着くと、早速、牧之通り(ぼくしとおり)へ向かった。
パトさんのリクエストである、雁木造を見るためだ。
雁木造とは、昔から新潟の商店街で見られる、雪よけの屋根のことである。
今でいうアーケードで、上越市(旧高田市)のものが長いので有名だ。
総延長が16kmあり、現存する雁木造としては日本一の長さだという。

牧之通りに向かう途中、左へ少し入った所に、塩沢つむぎ記念館が見えた。
soyoさんが、遠慮がちに皆を誘った。
断る理由はない。
無料の展示販売所だけ見学した。
展示してある色々な塩沢つむぎを、スタッフの方が丁寧に説明してくれた。
お礼に何か買おうと思っても、数十万円もする塩沢紬の反物など、とても手が出ない。
パトさんが、何かを買っていた。
へぎ蕎麦の乾麺だった。
さすがパトさん、気配りがすごい。

程なく、牧之通りに着いた。
街並み整備事業と合わせ、電線の地中化を行い、電柱と電線が姿を消している。
数百メートルもの雁木造が続いていた。
先ずは、鶴齢の醸造元・青木酒造を覗いた。
残念ながら、試飲はない。
頼めば、させてくれるかもしれないが、買わないわけには行かなくなる。
太い柱で建てられた、店内を見学した。
彩さんが、甚吉袋を買った。
甚吉袋とは、酒屋から家に酒を持ち帰るために使っていた通い袋である。
紺色の帆布に、白抜きでロゴが入っていた。
彼女は、これを持って、酒を買いに行くのかな。

次は、外から雛人形が見えたので、何の店か知らずに入った。
色々な店に雛人形が飾ってあったが、ここは数が多い。
江戸、大正、昭和のお雛様が並んでいたのを、座敷に上がり見せて貰った。
店の方が、丁寧に説明してくれたのである。
帰りしな、店先に「かぐらいおん」(神楽南蛮ソース)があったので、お礼の意味で買った。
野菜サラダに良さそうだ。
後で知ったことだが、私が買わなかったら、soyoさんが買うつもりだったらしい。

少し歩くと、八海山を試飲できる店があった。
期間限定の生原酒があったので、試してみたが、中々美味い。
荷物が増えるのは嫌だったが、買うことにした。
この店には、へぎ蕎麦の店を訊くために、もう一度、来ることになる。
お目当ての店は、二軒とも定休日だった。
soyoさんが、次の目的地の雲洞庵の近くに、蕎麦屋がないかを訊いた。
すると、「ちょっと待って」と、大通りを渡って、前の店に訊きに行ってくれた。
シカゴ屋という店がわかり、電話をして食べられることを確認した。
ところが、前の店の方が、「わかりましたか?」と、わざわざ来てくれたのだ。
その気遣いに、驚いた。
タクシーを呼ぶので電話をしたら、「少し時間が掛る」と、云われた。
酒屋の奥さんが、「店の中でお待ちなさい」と、云ってくれた。
そして、試飲用のお猪口に、八海山を並々と注いで寄越したのである。
試飲のときより、数倍の量が入っていた。
またまた、驚いた。
パトさんは、多分、予定外だと思うが、八海山の米焼酎を買った。
我々は、塩沢宿の皆さんの人情に、感激しないわけには行かない。
シカゴ屋へ行ってからも、お二方に感謝することになる。

つづく



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

ブルさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

貝掛温泉ですか。
初めて聞く名前です。
色々、ご存知ですね。

今回の酒は、陸上で例えるとマラソンです。
ゆっくりしたピッチで、長時間、飲んでいました。
楽しい旅でした。

2015/03/21 06:16:36

貝掛温泉

ブルさん

越後湯沢と聞くと
貝掛温泉を思い出します
越後湯沢から、近いですからね

お酒の飲める人は羨ましい
こっちとら、飲めないから
いつもコーラですわ
ま、僕の場合、飲まない方がよくしゃべれます
飲むとすぐ眠くなるので・・・

気の合う仲間とのいい旅ですね♪

2015/03/20 21:43:14

彩々さんへ

吾喰楽さん

こんにちは。

日頃、独りでの飲食が多いので尚更かと思いますが、旅先でのワイワイ・ガヤガヤは、楽しいですね。
大家族の方は、たまには、独り静かにと思うのでしょうが。
結局、無い物ねだりなんですね。

「甚吉袋」は、浴衣やウールなど着たときが、相応しい思います。
洋服だと、ラフなスタイルでしょうね。

2015/03/20 15:54:52

男性と女性の違い

彩々さん

おはようございます
一人旅にも憧れている私ですが
何といっても、心が知れた友が
居てくれれば、こんなに楽しいものかと
帰宅しても長らく思い出に浸れて、いいもの
ですね。
今回は4人、それぞれ8つの眼で見て、触れて
感じてで、‘あ〜、そうだったのね!’と
今頃、解ったりして…
何処へ行っても、マイペースな私でございます。
お許しを!

私が買ってきた鶴玲の袋の名前「甚吉袋」って
言うのですね!?
袋を見ながら、「これって、いつ使うの!?」って
自問しております。。。

2015/03/20 10:45:05

マリーさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

仰せの通り、旅の楽しみは、土地の人との触れ合いですね。
以前、パトさんと金沢を旅したとき、旅館の風呂に入らず、茶屋街の銭湯に入ったことがあります。
懐かしい思い出です。

2015/03/20 09:02:17

旅の楽しみ

さん

見知らぬ土地で出会った人々の心使いは心に残ります。
これこそが旅の楽しみではないでしょうか。

きれいな景色や美味しいお酒と肴と温泉ももちろんですが、その土地の人と触れ合えるのはさらに楽しみを増やしてくれます。

2015/03/20 08:51:52

Reiさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

越後湯沢の試飲コーナーでは、八海山は試飲しませんでした。
未知の酒を求めたのです。
その結果、鶴亀と鶴齢に出会えました。

2015/03/20 08:16:00

優しい人たち

Reiさん

おはようございます。

地元の人たちとのふれあいも、旅の楽しみですね。
いい人たちでよかったですね。
八海山もたくさん飲めて…(^^)

2015/03/20 07:41:54

喜美さんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

↓にも書きましたが、「買え、買え」という押しつけを感じませんでした。

絹だけでなく、上布(麻)の反物もありました。
機織りの体験も、できるそうです。

2015/03/20 07:40:00

SOYOKAZEさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

生原酒は1人1本限定でしたね。
まとめ買いできれば、送る手もあったのですが・・
昨日と一昨日、1合ずつ飲みました。
期待通りの味です。

優しいだけでなく、どの方も、物を売ろうとする押しつけがないのにも好感が持てました。

2015/03/20 07:28:11

塩沢

喜美さん

そんな親切にされて他の人飲みっぱなしなの 私はデパートでも進められて興味ある物 試食したら買います
タダ食いになって悪い気がするの
勿論興味ないものは止まって食べないから PTさん買ってくれてよかったわ
此処に居ても安心した

塩沢紬持ってきましたけれど
流石派手で娘の所にあります

2015/03/20 07:27:08

どの方も

さん

おはようございます。

どの方も、本当に優しくて温かくて、いっぺんで、この町が好きになりました。

本当は私も、あの親切な方のお店で八海山の生原酒を買いたかったのよ。
でも、今は、両肩に、あまり負担をかけられない体、じっと我慢でした。
送るには送料が高いしねぇ・・・

一人旅で、親切な方には、何度も出会ったけれど、こんなに皆さんが優しいってことは初めてで感激しましたよ。

2015/03/20 07:14:30

PR







上部へ