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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十) 愛玩具を欲しがる子供 

2015年02月26日 外部ブログ記事
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突然、彼の背中を誰かが押してきた。後ろを振り向くと、中年の男性がにやついている。
”何だ、このおじさん”と、怒りの気持ちが湧いてきたが、どうも様子がおかしい。
”下を見なさい”と、目配せをしている。
彼が視線を落とすと、膝を少し曲げた牧子が居た。

「なんだ、こんなところに。驚いたよ」
「もう。さっきから近くに居たのに、ちっとも気が付かないんだから」
牧子は頬を膨らませながら、彼の背中に抱きついてきた。
そしてそのままの姿勢で、彼を押して歩き始めた。

「おっ、おっおっ、と」
転げそうになりながら、彼は必死に人混みをかき分けて進んだ。
何とか、モール内の広場に辿り着いた彼は、大げさに転げるように据え付けられている椅子にへたり込んだ。

「大丈夫だった?」
彼の横に陣取った牧子が、心配気に尋ねてきた。
「大丈夫じゃないよ。危うく、転げるところだったよ」
「ごめん、ごめえん。お詫びに、好きな物をご馳走してあげる。何が食べたい?」
と、突然に彼の耳元で小さく囁いた。

「お姉さんを食べたあい、なんてのはダメよ。むふふ」
彼は耳たぶまで真っ赤にしながら、心の奥底を覗かれたような思いがした。
思わず、”食べたいぃ!”と、喉まで出かかったが、さすがに躊躇われた。

「こらっ、エッチなことを考えたな!」
彼の脇腹を肘でこずきながら、牧子は自分の大胆さに驚いた。
何故か、彼をからかっていたいのだ。
本音を言えば、純情=だと、牧子は感じていた=な彼を、すぐにも抱き締めたい衝動に駆られていた。
恋愛感情からではなく、愛玩具を欲しがる子供のような感覚だった。

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