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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十) 一抹の寂しさ 

2015年02月21日 外部ブログ記事
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やっと牧子の暮らしぶりに話題が移り、彼は身構えながら聞き耳を立てた。

「まあ、ねえ。なかなかうまくいかないのよ。何度かお見合いはするんだけど、こればっかりはねえ。
といって、変な妥協だけはしたくないし。もう今じゃ、誰も話を持ってきてくれないわ。
そろそろ三十路も近いことだし、とは思うんだけど。
それに、実家がうるさくって。今、思案中なの」

「そうなの。あんたみたいな家庭的な女性は、そんじょそこらには居ないのにねえ。
器量だって申し分ないし。どうして、縁がないのかねえ。
何だったら、おばさんも探してあげようか? 
といって、当てがあるわけじゃないんだけど。でもホントに、居ないのかい?」

心底心配してくれる管理人の言葉に、牧子は痛みを感じた。
上司との逢瀬の為に、このアパートを引き払った牧子だった。
何くれと世話を焼いてくれる管理人に、疎ましさを感じての引っ越しでもあった。

「いやあねえ、居ないわよ。居たら、ボクちゃんとデートなんかしないわよ」
大きく笑う牧子に、彼もまたつられて笑ってしまった。

「そう言えば、御手洗さん。あの彼女は、どうしたの? 最近は、全然顔を見ないけど。喧嘩でもしたの?」
突然、管理人が彼に声をかけた。虚を突かれた彼は、一瞬言葉を失った。
思わず、牧子の顔色を窺ってしまった。
牧子は、にこやかな表情で
「あらあら、彼女が居るの? 今度、紹介しなさいよ。
どんな女性なの? やっぱり、学生さん? お母さんは、知ってるの?」
と、矢継ぎ早に質問責めをしてきた。
彼はホッとしつつも、”異性として見てくれていないのか”と、一抹の寂しさも覚えた。

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