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敏洋’s 昭和の恋物語り
出雲大社参詣記 12月29日 (七) 溺れ…る…
2015年02月21日
テーマ:テーマ無し
とにもかくにも、泳げないわたしです。
もう必死で、手足をバタバタとさせて舟に戻ろうとするのですが、その悪ガキの奴、櫓でもって邪魔をするのです。
そりゃもう、悪鬼の表情でした。
小憎たらしいったら、ありませんでしたよ。
なにか叫んでいるのですが、耳になんか入りません。
とにかく足をバタバタと、泣きながらバタバタとさせるだけです。
けれども、長く続くはずもありません。
いよいよ、最期です。
わずか10年ほどの人生でした。
短いものです、でも、しっかりといろいろの出来事が浮かびます。
おふくろや親父の顔が浮かんで…
皆さん、さよおなら…
違うか。
最期だったら、今こうして旅日記は書けませんよね。
でも、疲れてきて、「もうだめか」と思ったときに、悪ガキの声が耳に入りました。
「立てる、立てるぞ!」
言われなくても、バタツク力はありません。
抜けていきます、力が。
半信半疑の中、たぶんやけくその気持ちでしょうね、右足だけ伸ばしました。
両足をそろえることはね、やっぱり性への執着心でしょうが、できなかったと記憶しています。
「えっ?!」
思わず、声を出しました。
そうなんです、なにやらジャリッと足に触れるんです。
つま先に、砂が…、当たったんです。
両足をついて、何とか首だけが海面上に出るんです。
小さな波が、口の中に海水を押し込んできます。
でも、凪状態だったことが幸いでした。
「助かった」という思いとともに、焦りまくった自分が恥ずかしくなり、また悪ガキに対して怒りの思いがこみ上げてきました。
その夜、悪ガキを叱ってもらおうと両親を待っていました。
ところが帰るなり「バカタレ!」です。
わたしの言い分など、ひと言も聞いてくれません。
そうなんです、悪ガキのずる賢さに負けました。
先に言いつけていたのです。
まさしく「先んずれば、人を制す」ですわ。
「ありがとうな、お陰で助かったよ」
悪ガキに労いと感謝の言葉をこえをかけて
「晩メシ抜きだ!」
と、非情の言葉がかけられたのです。
おふくろは、泣きながらわたしを叩いてきます。
「あんたって子は、あんたって子は…」
「幼稚園のときに、交通事故にあったのに…あのときも死にかけたのに…また…」
ワーワーと泣き叫ぶわたしです。
小学五年、十歳だったと思います。
ごめんなさい。少し脚色したかもしれません。
こんなに詳しくは覚えていませんので。
でもね、五十五年が過ぎた今でも、納得のできないわたしです。
確かに、落とされたと思うのですよ。
でもまあ、おかげで泳げるようにはなりました。
あの後、舟に乗ることなく泳ぎ帰りましたから。
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