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人生日々挑戦
「CMプランナーの醍醐味」
2014年01月15日
テーマ:暮らし
民放テレビを観ていると、日に何十本あるか分からないぐらいのコマーシャルメッセージ、つまりコマーシャル・CMが流れている。
テレビCMは、15秒、30秒、45秒という限られた時間の中での勝負だ。そのごく短い時間の中で、いかに企業のブランドイメージを高めたり、商品の魅力を伝えるか。
したがって、オーソドックスなCMは、伝えたいことを、映像とメッセージで、ズバリ伝えようとする。
しかも、テレビCMに起用される人間は、何本ものCMを掛け持ちするケースだってある。ある個性派俳優は、ラーメン、ドリンク、自動車等々、引っ張りだこである。
彼自身に手堅い印象があるのと、何本ものテレビCMに出演していることでの視聴者側の慣れからくる安心感。こうしたことまで計算されてCMはできている。
彼が持ち前の演技力で美味しそうにラーメンを食べる。彼の演技力だから美味しそうに観えるのであって、CMのラーメンが本当に美味しいのかどうか、分からない、と視聴者が思う。CM時間は、16秒だ。
その瞬間だ。「うそだと思ったら食べて下さい」
視聴者は、虚を突かれてしまう。だったら、食べてみようか、となってしまう。
テレビCMの作り手は、上手いものだ。
で、しばらく、「うそだと思ったら食べて下さい」で馴らされてしまったあとのことだ。
CMのラーメンは、味噌ラーメンに代わっている。
視聴者は、身構える。「うそだと思ったら食べて下さい」だな。CM時間は、16秒だ。
その瞬間だ。「みそだと思ったら食べて下さい」
決め台詞の「うそ」が「みそ」になってしまっているのだ。 アアーン、ウソーッ!!
テレビCMの作り手は、またしても、上手い。
テレビCMは、15秒、30秒、45秒という限られた、ごく短い時間の中で、いかに企業のブランドイメージを高めたり、商品の魅力を伝えるかが勝負だ。そうしたテレビCMの企画を考え、完成まで数か月にわたって作り上げていくのがCMプランナーである。
オーソドックスなCMは、ごく短い時間の中で、伝えたいことを、映像とメッセージで、ズバリ伝えようとする。
しかし、伝えたいことを、映像とメッセージで、ズバリ伝えようとするのではなく、視聴者に、行間を読ませようとするテレビCMもある。行間を読むとは、文章に文字では書かれていない筆者の真意や意向を感じとることである。
ボボンガ ボンボン ボン じゅうなんざい!
ボボンガ ボンボン ボン じゅうなんざい!
津軽弁では、ずる賢い子とか悪ガキとかというニュアンスに近い表現として、ズルスケと言う。
CM画面では、いかにも男をひっかけそうな、ズルスケ然とした若い女が、裸にバスタオルの風呂上りのような格好で、ベッドに横たわり、口ずさむ。
ボボンガ ボンボン ボン
すると、次は、男の番だ。男は、外人だ。その外人がかもし出す助平っぽさから、フランス人と直感した。
CM画面の外人男は、これまた、風呂上り然とした格好で、ズルスケ女の後ろに横たわっている。その外人男は、少しばかりヒゲをはやしている。そのヒゲがいかにもいやらしい。
で、女の次に、ベッドに横たわりながら、外人男が唱和する。
じゅうなんざい!
裸男女がベッドに横たわり、女男の順で、口ずさみ、唱和する。
ボボンガ ボンボン ボン じゅうなんざい!
ボボンガ ボンボン ボン じゅうなんざい!
この間、CM時間は、46秒と、CMにしては、長めだ。
津軽のシニアブロガーには、どうも、この裸男女のCMが何を訴えかけているのか、よく分からない。
第一、じゅうなんざいって何?
このテレビCMを作ったCMプランナーは、行間を読めと言っているのだ。
ネットで調べたら、柔軟剤(じゅうなんざい)とは、洗濯後、繊維に柔軟性を与えるための仕上げ剤であり、同時に、帯電防止のためにも使われることが分かった。柔軟剤を使うことのメリットは、理解できる。
ボボンガ ボンボン ボン じゅうなんざい!
しかし、柔軟剤の宣伝をするのに、裸男女がベッドに横たわっているということの必然性はない。裸男女のCMで何を訴えかけているのか、依然としてよく分からない。
柔軟剤は、洗濯物の仕上げ剤だから、仕上げた洗濯物を男女が着るというのなら分かるが、その逆で、裸男女がベッドに横たわっているのだ。
裸男女がベッドに横たわっているということは、何かの前か後かだろう。それでは、じゅうなんざい!とは、その何かに関係あるものだろうか?
実は、「ボボンガ ボンボン ボン」のCMプランナーのねらい目は、視聴者に、ナンデ、ナンデ、と好き勝手に行間を読ませることにある。
ナンデ、ナンデ、と考えているうち、視聴者の脳内に、響く。
ボボンガ ボンボン ボン じゅうなんざい!
ボボンガ ボンボン ボン じゅうなんざい!
この唱和が頭にしみこむ。唱和を聴いているだけで、面白おかしい。
そして、洗剤とかにまったくの門外漢である津軽のシニアブロガーに柔軟剤の何たるかを理解させた。
「ボボンガ ボンボン ボン じゅうなんざい!」の柔軟剤を買ってみようかな、との思いが頭をかすめさせるだけでも、CMの作り手としては、大成功だろう。
例の唱和が頭にしみこんだ視聴者は、「ボボンガ ボンボン ボン じゅうなんざい!」のテレビCMが流れると、面白おかしいので、笑う。ヤッテル、ヤッテル、いやらしくつぶやき、笑うのだ。
CMプランナーがテレビCMに起用したズルスケ女と助平っぽい外人男の起用も大成功だ。
なにかと世間の耳目を引く女優の起用。彼女の裸姿と口ずさみは、なにかと効果的だ。そして、彼女に対して、助平な外人男をセットしたところが心憎い。
ボボンガ ボンボン ボン じゅうなんざい!
くだんのCMプランナーは、今、CMプランナーの醍醐味をかみしめていることだろう。
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