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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

喫煙者に煙たい話 

2012年01月31日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

 タイトルは最初、「愛煙家に煙たい話」としたのですが、どうも「愛煙家」という語が
おかしい気がして「喫煙者」に置き換えて、しっくりしました。
タバコを吸う人は「タバコは不味くて体に悪く、早く止めたい」と思っているのが普通で、
「タバコを愛する」なんてことはありはしないし、あって欲しくはないからです。

 このところ、そのタバコの健康被害や規制問題がにわかにニュースの項目に
挙げられることが目立ってきましたね。

 まず、東京大学と大阪大学などの調査研究で、
喫煙が原因のガン、心筋梗塞などで死亡した人は、
日本で2007年に12万9千人と死亡原因の第1位であったことが分かり、
このほど国際医学誌に発表しました。

タバコの健康への害はすでに常識となっていますが、
このように数字ではっきり示されると、その恐ろしさが際立ってきます。
ちなみに、第2位は高血圧が原因の脳卒中などで10万4千人。
次いで、運動不足が5万2千人、高血糖と高塩分摂取が同数の3万4千人と
続いています。

 続いて、国や自治体のがん対策の基本となる厚生労働省の
次期がん対策推進基本計画案に、喫煙率削減の数値目標が
初めて明記されることになりました。喫煙者を4割近く減らす目標になる見通しです。
この案は明日、2月1日(2012年)、専門家や患者で構成する協議会に示し、
閣議決定される段取りで、国や自治体は目標達成の施策が義務づけられます。

 さらに、厚生労働省は昨日、30日の中央社会保険医療協議会で、
子供や生活習慣病、呼吸器疾患などを抱える患者らの受動喫煙対策として、
医療機関の屋内を原則全面禁煙にする方針を示しました。
対策を怠った場合には、診療報酬を減額するという強い対策です。

 これら厚生労働省の二つの具体策、方針は私に言わせれば「遅過ぎる」のですが、
タバコ後進国の日本が少しずつ改善されて行く気配があって、まずは歓迎です。
「タバコ嫌いの大臣だから『しぶしぶ』対策を出し始めたようだ」などという
バカな論評があれば、無視して前進して欲しいと応援します。

 ところで、日本たばこ産業(JT)が発表した2011年の喫煙者率調査では、
日本の成人男女の喫煙者率は21.7%(男33.7%、女10.6%)となり、
過去最低を記録しました。前年比2.2ポイントの低下で、16年連続の減少です。
去年のタバコ大幅値上げが大きく影響しています。
でも、まだ成人の5人に1人(男は3人に1人)が喫煙者というのは多過ぎますね。

 参考までに、私たちの住むオーストラリアのタバコ事情を少しだけ。
日本のデータより2年ほど古いのですが喫煙者率は16.6%(男18.0%、女15.2%)と
アメリカに次いで世界のトップクラスです。
タバコの価格も1000円以上して1500円は普通、
レストランはもちろん酒を飲むパブでも禁煙です。

 このように日本とは雲泥の差ですが、さらにタバコのパッケージに
メーカー独自のデザインとロゴの印刷を禁じ、これまで以上にタバコの害の
疾患部分の気味悪い写真や警告を載せるという、世界で最も厳しい法案が昨秋成立し、
今年(2012年)12月に施行されることになりました。

 日本政府はタバコ会社の株を持つことを即刻止めるのはもちろん、
国民の健康・生命を守る基本的な姿勢を明確に打ち出して、
強力に策を施さなければなりません。
やるべきことは、山のように残っているのです。


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