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読書日記
『まほろ駅前番外地』 <旧>読書日記1583
2024年04月24日
テーマ:<旧>読書日記
三浦しをん『まほろ駅前番外地』文藝春秋(図書館)
読書日記581に続いてシリーズの2冊目と3冊目(次の日記になります)を読んだ。
『まほろ駅前多田便利軒』での登場人物、あるいはその周辺の人の視点から書かれた短篇集で7篇からなる。
「光る石」まずは多田と行天の便利屋としての日常業務と依頼されたことの意外な解決法。
「星良一の優雅な日常」健康志向の若いボス星良一とその周辺の人々の日常。落差が激しい。
「思い出の銀幕」曽根田のばあちゃんの若かりしころの思い出話
「岡夫人は観察する」ちょっと外れた所に住む元農民で今は賃貸業の岡の夫人から見た便利屋の二人。
「由良公は運が悪い」塾通いで忙しい由良に訪れた自由な一日を由良はどう過ごしたか。
「逃げる男」遺品整理を依頼してきた柏木亜沙子は夫に出ていかれた「キッチンまほろ」の経営者だった。
「なごりの月」急な出張のためにインフルエンザにかかった妻と子どもの世話を依頼された二人。子どもの相手をおしつけられた行天はなぜか突然錯乱する。
相変わらず行天の行動の予測はつかず、多田はお人好しのままであるが、多田視点ではないためにやや凡庸に見えてしまう。が、終わりの2篇が次への予告編のような感じがして視点がずれてしまう。本作の初出は「別冊文藝春秋 274号〜280号で統一性の無さという雑誌連載の欠陥が現れているような感じである。
(2021年10月11日読了)
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