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吾喰楽家の食卓

3月国立演芸場寄席 

2024年03月19日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

隼町にあった国立演芸場は、昨年の10月を最後に建て替えの為に一旦閉場した。
今年の1月から、今までの定席(上席・中席)は「国立演芸場寄席」にリニューアルした。
紀尾井ホールを借りて5日間2回の公演になったが、此処は来年から改装工事が始まるらしい。
3月15日(金)、林家正雀がトリを勤める公演の4日目を見たので、感想を簡単にまとめた。

■古今亭松ぼっくり「初天神」前座
多くの前座が高座に上げる、お馴染みの古典落語を口演した。15分の持ち時間だと、通常は途中で噺を終わらせるが、アレンジを工夫して凧揚げまでやってくれた。テンポが良い語り口で、二ツ目に昇進するのも時間の問題だと思える技量だった。

■林家あんこ「北斎の娘」二ツ目
演者と演題は、何れも初めてではないようだが、明確な記憶がない。噺としては面白いけど、メリハリが乏しいように感じた。他の噺だと、違うのかもしれないが。

■柳家小せん「金明竹」真打/以下同様
横浜出身の噺家が、流暢にまくし立てているが、正しい関西弁なのかは東京生まれの私には判断できない。何れにせよ、何度聞いても笑える噺だ。以前、桂竹丸が郷里の鹿児島弁に替えて口演したのを思い出した。

■林家しん平「猫と金魚」
漫画家になる前の田河水泡が読み物として書いた作品を、初代の柳家権太楼が落語に仕上げた新作落語である。しん平は、「円鏡(圓蔵)に教えて貰った」と言っていた。面白い噺だが、近年、高座に上げる人が少ないようだ。

■古今亭志ん雀「鼓ヶ滝」
初めての噺家だが、お馴染みの噺を滑舌良く口演したので、安心して見ていられた。この先は、年を重ねて風格が付けば、更に良い噺家になるのではないかと思う。将来が楽しみだ。

■五明楼玉の輔「お菊の皿」
怪談を、滑稽噺に仕上げた古典落語である。玉の輔は何度も見ているが、今回も素直に笑えた。ひざ前として、トリを引き立てる良い仕事をした。

■林家正雀「左の腕」
松本清張の短編小説を、初代の橘家文蔵が許可を得て、新作落語にしたそうだ。直ぐに噺の世界に引き込まれ、笑える箇所が無い噺だけど後味は良かった。森吉あき(お囃子)が舞台袖の御簾から出て引く三味線で、正雀が踊った「風流吹き寄せ踊り」も良かった。

敬称略

※ブログでは、「左の腕」のあらすじを省略した。興味のある方は、下記をご覧ください。
https://rakugonobutai.web.fc2.com/362hidarinoude/hidarinoude.html

   *****

写真
2024年3月18日(月)の昼餉(ぶっかけ蕎麦)と夕餉(赤鰈の煮付)

お礼
「彼岸の入りの食卓」に、拍手を有り難う御座います。この場を借りてお礼申し上げます。



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