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吾喰楽家の食卓

国立演芸場寄席の初公演 

2024年01月14日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

国立演芸場の座席数は300席だったが、紀尾井ホールの小ホールは200席である。
その分だけ場内は狭いので、最後列でも高座は良く見える。
横長のホールなので、高座までの距離は更に近い。
その反面、最前列でも、両端の席は見難いかも知れない。

幕が下りている時は分からなかったが、ステージが低く、その分、高い高座が用意されていた。
今回は、最前列の真ん中の席なので、出演者の顔や所作が良く見えた。
また、音響設備が良いのか、出演者の声は自然な感じなので、聞き易かった。
ところが、時計が上手側にあるらしく、時々、出演者が真横を向くので気に成った。

前座は桂れん児、二ツ目は講談の神田桜子が出演した。
二人とも好感の持てる芸だったが、何回か登場人物の名前を失念した。
噺家の場合、二ツ目になると殆どないことだが、講談の世界は違うのだろうか。
講談は長い台詞を覚える上、長い人名が多いから大変なのかも知れない。

続いて若手真打の春風亭昇也が登場し、『庭蟹』を口演した。
真打に昇進した時に、師匠の昇太は、彼のことを「器用貧乏」と称しており、私も、卒なくこなすけど面白みに欠けると感じていた。
ところが、本人も努力したのか、2年足らずの間に真打の風格と個性が育って来たようだ。
この先が楽しみな噺家の一人と言える。

中入りの前後は、三遊亭円丸『親子酒』と三遊亭小笑『粗忽の釘』が、お馴染みの古典落語を口演した。
続くヒザ前は、三笑亭夢丸が、古典落語の政談物『てれすこ』を口演したが、初めて聞く噺だった。
ところが、オチに記憶があったので、本で読んでいたのかも知れない。
トリは、好きな師匠の一人である三笑亭夢太朗が、甚五郎物『竹の水仙』を口演した。

今回は、国立演芸場寄席と称した、閉場してから最初の公演の初日だった。
ある種の「こけら落とし公演」なので、トリの師匠が誰でも見たいと思っていた。
落語の実演を見るのは、昨年10月以来だったこともあり、其の魅力を再認識させられて大いに楽しめた。
幕が下りて廊下へ出ると、五階の窓から、今年初めて見る富士山が西の空に見えた。

   *****

写真
2024年1月11日(木)撮影: 紀尾井ホールの建物・国立演芸場寄席の演題

お礼
「びん長マグロとアボカドの手柄」に、拍手を有り難う御座います。この場を借りてお礼申し上げます。



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