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敏洋’s 昭和の恋物語り

水たまりの中の青空 〜第二部〜 (三百八十九) 

2023年09月19日 外部ブログ記事
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「竹田! 武蔵は、なにしてるの! 一度来てくれたきりじゃないの! まさか、もう浮気してるんじゃないでしようね。これ幸いって、遊びまわってなんかいないわよね」「まさか、社長は毎日をいそがしくされてます。おふたりのためにと、もう以前にもまして活動的です。浮気だなんて、とんでもないです。それはもう、あちこちに電話をかけられていますよ」 多少の後ろめたさを感じつつも、“得意先の接待なんだから。以前よりも増して、仕事に熱を入れられているのは間違いないんだ”と、己に言い聞かせる竹田だった。
「よし! こんやは、近辺の旦那衆だ。れんらくはいれてあるな? よしよし。で? どのくらいの人数があつまるんだ? 十人か? 二十人か? なに、なんだ? 七人に声をかけて、三人だと? バカヤロー、なんだそれは」 行ってきました、とかえってきた事務員の返答に、おもわず声をあらげる武蔵だった。お留守なんですよと言い訳をすると、なおも機嫌がわるくなる。当日になってうかがいをたてにまわったことも、武蔵には不満だった。事務員にしてみれば〆後のことで、請求書づくりを優先させたのだが、武蔵にしてみればひとりぐらい抜けても……という気持ちがあったのだ。
「社長、ちょっと度が過ぎていませんか? こうも毎晩の連チャンでは、からだをこわしますよ。お姫さまのところには、一度だけでしょ? おこってらっしゃいますよ、きっと」 心配する女子社員の声にも「なにを言ってるんだ、おまえたちは。お祝いだぞ、俺のあと継ぎが生まれたんだ。みなさんに祝っていただくんだぞ、日ごろお世話になっている方たちなんだぞ」と、まるで耳を貸さない。
「お祝いというのは、相手がするものでしょ? 接待をうけることじゃないわよねえ」「要するにさ、社長はあそんでるのよ。やっぱり社長も、そこらの男いっしょだってことよね」 陰でささやきあう女子社員たちの声にも、馬耳東風の武蔵だ。まるで意に介さない。“いま遊ばないとな。鬼のいぬまの、いのちのせんたくだ。そして退院してきたら、夜のあそびから、めでたく卒業というわけだ”
「専務、せんむぅ! 社長にいってくださいよ。あたしたちでは、ぜんぜん効き目がないんだから。専務からガツンと言ってやってくださいよ。お姫さま、きっと淋しがってらっしゃいますよ」「ああ、そうだな。たしかに、おいたが過ぎるな。分かった、わかったよ。俺からもひと言、言っておくさ」と、答える五平ではあった。「専務、どうしたのかしら。なんだか元気がないのよね。ひょっとして、社長の後がまをねら
っていたのかしら? 跡継ぎができたってことは、もう専務はせんむどまりということよね」 辛辣なこえをあげる者もいれば、「それはないでしょ、年齢を考えてごらんなさいよ。専務のほうが、年上なのよ」「そうよね、そうよね。元気のなさは、昨日きょうのことじゃなかったしね」「それよ、それ。この間なんか、大きなため息なんか吐いてたわ。びっくりよ、ほんとに」と、うちけす声もあがった。

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