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敏洋’s 昭和の恋物語り

青春群像 ご め ん ね…… 祭り (十三) 

2023年09月17日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 むしろのすき間から中をのぞいてみるが、真っ暗でなにも見えない。ぼくのこころの中に((ついて来るんじゃなかった。そもそも無理だったんだ、この計画は。へび女がどこに眠っているのか調べもしないなんて。おりだって? そんなもの、どこにあるんだよ。そんな大事なことを調べてないなんて、ひどい話だよ))と、いかりの気持ちがわいてきた。
((不良少年にされて少年院に入れられるなんて、だめだよ。あの賢治さんがどんな風に言われているか、されているか。そのことをいま話したら……友人はなんていうだろう?おく病者って、軽べつされるだろうか。人でなしと非難されるだろうか………))。 逡巡する気持ちがおさまらない。
((いっそこのまま、だまって帰ろうか。ひょっとして、誘拐とかなんとか、警察に追われることになるんじゃないか? いやだよ、そんなの。なんでへび女のために、そこまでやらなくちゃいけないんだ。おとなは、なんで黙って見てるんだよ。よし、帰るよ、いっしょにかえろうって言おう))。
 意を決して、友人のすそをひっぱった。「まずいぞ。絶対まずいぞ」。「まずいよね」。 おなじことを考えていたのかと嬉しくなったわたしだったが、まるで違っていた。「もう逃げ出したんじゃないか? へび女。それともほかの誰かが…。いやそうじゃない。やっぱり、ひとりで逃げ出したんだ。それをみんなが追いかけてるんだ、きっと」

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