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敏洋’s 昭和の恋物語り

[ブルーの住人]第三章:蒼い恋慕 〜ブルー・ふらぁめんこ〜 

2023年09月03日 外部ブログ記事
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(七)ネンネ
 女が、目を落として言った。「こんや、あたいヒマなんだ。つきあってもいいよ」
 その声には、どことなく暖かいひびきが感じられる。いつもの投げやりなことば言葉ではなかった。
そしてそう呟いた時の女の目は、一瞬間ではあったが恥じらいに輝いていた。が、少年の口からは、何も返らなかった。頬を赤らめ、空のコップを見つめているだけだ。
 女がそっと、指をからませた。そして、胸元に引きよせようとしたとき、蜂のひと刺しにも似たいたみを頬にかんじた。
そしてその痛みに気付いたときには、少年はカウンターの席をたっていた。女には頬のいたみよりも、もの言わざる少年の目の光りのほうが、強くこたえた。
「わざわざ女からさそってやったのに! なにさまのつもりよ!」「まだネンネの男の子なんだよ、かんべんしてやんな」 バーテンの差しだした水を一気に飲みほすと、女は、また踊りの中に身をとうじた。

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