メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

敏洋’s 昭和の恋物語り

[ブルーの住人] 蒼い情熱 〜ブルー・れいでい〜 (十六)逡巡 

2023年06月17日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 少年が立ち上がった。しかし逡巡はつづいている。帰られるのだ、このまなにごともない顔をして帰ることができるのだ。しかし少年の足は、あの女のもとにうごいた。手足のない達磨のごとくにすこしの歩みではあっても、かくじつに少年の歩はすすんだ。亀のようにのろい歩みではあっても、たしかに女の元へ。
 少年にはえいえんの時間のように感じた、その道のり。話にきょうじるアベックたちの間のびしたこえが、少年の耳にとどく。バンドの音楽も回転数をまちがえたレコード音のごとくに、間のびして聞こえる。少年が立ち上がって、ものの五、六秒。三つのテーブルさきに陣取っていたあの女が、いままさに目と鼻のきょりにいる。そして階段も。
 「あのお……」 少年は、自分でも信じられない程にたやすく女にこえをかけた。つまりつまりながらも、少年が女に話しかけた。いぶかしげに見あげる女に対し、せいいっぱいの真ごころをこめて話した。つきそいの女の雑音にはまるで耳をかさず、ひたすら女にむけて発信した。少年のあつい目線をさけてうつむく女にたいして、異国のことばでかたりつづけた。

>>元の記事・続きはこちら(外部のサイトに移動します)





この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR







掲載されている画像

    もっと見る

上部へ