Polyglotに憧れて

理想的な都会と田舎の人口バランスは? 

2023年03月16日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


 理想的な都会と田舎の人口バランスは? 政府は日本の人口を一極集中から多極集中へと推進する方針ですが、全体の人口が減少に向かう中で、都会と田舎の人口の比率はどれくらいが望ましいのでしょうか。一極集中を是正するということは、東京の人口を減らして地方へ分散させることを意味していると思いますが、そのようなことが可能でしょうか。 東京は世界の都市の中でも高い人気を誇っています。森記念財団都市戦略研究所の「世界の都市総合力ランキング2022」によると東京は第3位(1位はロンドン、2位はニューヨーク)です。エコノミスト・インテリジェンス・ユニットによる世界で住みやすい都市ランキング2021では東京は第5位です。世界の都市の中でも東京の魅力が認められているという証拠です。現在、人口が東京に一極集中しているのは、仕事があるから、とか、生活に便利だから、というだけでなく、東京という都市に人を惹きつける魅力があるからだと思います。東京に住んでいる人々に対して地方移住を促したとしても、果たしてどれくらいの人が地方へ移り住むでしょうか。 コロナ禍ではリモートワークが普及しました。職場に通勤せずとも仕事がこなせることがわかってきました。今後、デジタル化が進めば、さらにリモートワークが普及します。デジタル化はIT産業だけでなく、農業や林業といった一次産業でも進んでいます。センサーや人工衛星で農地をモニタリングし、ドローンで農薬や肥料を散布し、無人のトラクターを使って土地を耕す時代です。それなら農地のそばに住んでいなくても構わないのではないでしょうか。将来はどこに住んでいても仕事ができる、そんな時代になるかもしれません。「職住接近」が時代遅れになるかもしれないのです。 そうなると、職場があるから東京に住む、とか、仕事を得るために東京に住むという必然性はなくなります。一方で、先祖から受けついだ農地を守るため、この土地から離れられない、といった束縛がなくなる可能性もあります。居住地と仕事を切り離すことができるのです。このような事態は歴史上ありませんでした。 江戸時代まで、多くの人々は地方に分散して居住していましたが、これは経済が農耕を中心に回っていたからです。明治以降、工業化が進展し、人々は工場周辺に居住するようになり、これが都市に発展しました。近年、サービス業に従事する人が増えてきましたが、職場は都市にあります。 現在は、仕事を選ぶ自由があります。昔のような身分制や親の仕事を継ぐしか選択肢がないという時代ではありません。ですが、仕事を選ぶ=居住地は仕事に左右される、という状態です。田舎に住みたいと思っても仕事がなければ都会へ行くことになるでしょう。人事異動で転勤を命じられれば家族ともども引っ越しするか、単身赴任となります。仕事の選択に自由はあるが、居住場所の選択には結構制約があります。ですが、将来は仕事を選ぶ自由だけでなく、居住地を選ぶ自由も得られるのかもしれません。 もし、どこにいても仕事ができるという状況になった時、人々はどこに居住するでしょうか。ある人は生まれ故郷に住み続けるでしょうし、田舎が好きな人は地方へ移住するでしょうし、都会が好きな人は都市に住みたがるはずです。定住をやめて、宿泊地を転々と変える生活を選ぶ人もいるでしょう。仕事だけでなく、居住地も各自の好みに合わせて自由に選ぶことができるというのは素晴らしいことです。 仕事内容と関係なく、人々が各自の好みで居住地を選べるとしたら、一極集中を是正する、とか、多極分散を図る、などという政策に意味があるでしょうか。人々がどこに住みたいと思うか、など誰もわからないし、政策で誘導することではないように思います。住みたい場所に住める、という自由を実現すること、これが重要なのだと思います。政府の多極集中推進という政策が何を意図しているのかよくわかりませんが、居住地が人の好みで決められるとしたら、将来の都市化の状況や推移に関しては、政府の思惑通りになるとは限らない、全く予想しなかったような結果になるのかもしれません。

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