TI's

映画 私だけ聴こえる Only I can hear 

2022年07月25日 ナビトモブログ記事
テーマ:映画

これはCoda(child of deaf adultの略 deafとは、聾、つまり聴こえない・話すことができない人のこと Codaは聾の子で健常者として産まれた人のこと)として生きる若者たちを追ったドキュメンタリー映画である。とても恥ずかしいが、この映画で描かれているようにCodaの人々が、苦しみを抱えて生きているとは思ってもみなかった。また、かわいそう、だとか大変そうだとか思うだけで、人生の中で一度も寄り添えてない自分を恥じる思いだった。
聾の人は、子を産む時、生まれてくる子に聾であってほしいと願うものなのだそうだ。健常で生まれてくると、残念がるらしい。これも、何も考えず健常に暮らす者にとって衝撃であった。
映像の中で、まだ思春期のCodaたちが集まるキャンプの風景があった。皆が一様に苦しんで暮らしている中、共通の悩みを持ち、誰にも言えないもがきから解放され、共に生きる喜びを味わえた12日間がかけがえのない幸せな時間となっていた。また、そこから今後の人生を考え、聾の人々のコミュニティに生きがいを見出す人たちがいた。
自分たちには、まだ知らないがために理解できていない生き方を強いられる人々がいる。
ただ、それが決して不幸や、惨めだ、などと決めつけてはならない。一緒に、時には何かで補いつつ、平等に共存するのが多様性の世の中だ。
とても地味な映画ではあるが、訴える力の強い、多くのひとが見るべき映画だと感じた。



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