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敏洋’s 昭和の恋物語り
恨みます (十九)
2022年07月04日
テーマ:テーマ無し
「そうですか。あたし、マズかったでしょうか。こんなあたしですから、もう二度とないと、思うんですけど」「あまい! それは、あまいよ。やっぱり、訴えるべきだったんだ」 語気鋭く、一樹が言い放った。「でも実は。以前、一度訴えたんです」「ええっ? 前にもあったの! あ、ごめん。こんな言い方は失礼だよね」「いえ、いいんです」 話し辛そうな表情を見せる小百合に、一樹は「話してよ、気が楽になるかもよ」と、催促した。
「交番で、男の人に、逆ギレされて。あたし、ブスだから」「なに言ってるの。そんなの、関係ないよ」 いつの間にか、一樹が小百合の隣に来ていた。願望として抱いたことが、いま現実となっていた。一樹にしてみれば、小百合を見ないですむ位置に移っただけのことだったが。「今日と同じように、『こんなブス相手に、しませんよ』って。そしたら警官も、うん、うん、って頷いてて。すっごく恥ずかしくなって、『もういいです!』って、飛び出しちゃったんです。で、今日も同じだろうって」
「なに、言ってんの! ぼくが居たのに。はっきり見たんだ。あいつも、認めたろう?」「もう、いいんです。それより、お姉さん、どうなったんですか?」「ああ、姉のこと? 思い出したくもないんだけど」 面倒くさそうに、吐き出すように言った。「途中下車させられて、トイレに引っ張り込まれて。まったく、考えられないよ。そこでようやく、訴えたんだ」
思わぬ話の展開に、小百合に動揺が走った。自分の身には起きうるはずもないこと、それが実際にはあるということ。まさかそこまで、と思いはするが、会社内で聞こえてくる話では、大体が示談という形で収まっている。警察に突き出す代わりに金銭での処理よね、ということだ。警察に届けたとしても、相手が行為をみとめて謝罪のことばを口にした場合、そこで「二度としないように」と説諭されて終わりだという。ただし、警察署を出たのちに、慰謝料というか迷惑料ということでの金銭処理があるという。
「でもね、無罪。合意の上、ってことになっちゃって。お決まりのパターンなの。相手に、腕のいい弁護士がついて。こっちの、検察官は新米みたいなもんでね」「ひどい、ひどい!」。「そんなの、許せない!」。テーブルに突っ伏して、号泣し始めた。 ひとしきり泣くと、「ごめんなさい。お姉さまが、お可哀相で」と、力なく立ち上がった。泣き出すとは、思いも寄らぬ一樹だった。“ちょっと、話を作りすぎたかな? それにしても、こんな話を真に受けるとは。この女、ほんと世間知らずだぜ”“ちょろいもんだ、一丁上がり! ってところか? おっと、仕上げだ、仕上げだ”
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