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敏洋’s 昭和の恋物語り

水たまりの中の青空 〜第二部〜 (百八十二) 

2022年01月11日 外部ブログ記事
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「おう、昨日はご苦労だったな。それでどうだった?」「安心してください。無事、入院ですわ。おふくろさんも、今回ばかりは観念したようですわ」と、合掌の真似をする五平だ。「うん、そうか」。満足げに頷く武蔵に「なにせ、本性を現しましたから」と意味ありげに薄笑いを浮かべた。「どういうことだ?」「見張りが居たんでしょう。三人連れの恐いお兄さんを引き連れての、ご登場でした。さすがにおふくろさんも、ビックリですわ」「ほう、やっぱりだったか。でっ?」「でって、そんなもの。何という事はないです。ギャーギャー騒いでましたが、一喝して終りですわ。あの親分さんの名前を出す必要もなかったです」「なんだ、そりゃ。素人さんか?」「そこらの食いっぱぐれですわ。ニ、三日前に雇われたようです。祈祷師やら占い師やら、結構有名になっていましてね」「どういうことだ、それは」「入れ替わり立ち代りの状態になっていました。一つ二つどころか、二桁に迫る状態です。驚きましたよ、まったく」「そんなにか! 食い物にされていたんだな。もっと早くに相談すればいいものを、竹田の奴」 眉間に皺を寄せて歯がゆがる武蔵に、五平も相槌を打つ。「まったくです、残念です。あたしもうかつでした。机の前でぼんやりとしている竹田を見はしたのですが、まさかこんなこととは。思いも寄りませんでした」
「竹田の奴、大はしゃぎでした。帰りの車の中で、喋ること喋ること。初めてですよ、あんな竹田を見るのは」「そうか、そんなに喜んだか」「いや、違いますぜ。勘違いなすってる」「勘違いって、お前。どういう意味だ」「小夜子奥さんですよ、奥さん」 ニタニタとする五平に、「小夜子がなんだ! 惚れたっていうのか、竹田が」と、とたんに不機嫌になった。「へへへ。ちょっと意味が違いますが、ぞっこんですわ」「許さんぞ、そんなこと。竹田を呼べ、怒鳴りつけてやる」 気色ばんだ武蔵を、まだニタニタと五平が笑っている。「看病するって、言われたでしょう? 小夜子奥さん」「ああ、そんなことも言っていたな」「それですよ。それに感動してるんですよ」 それがどうした、と言わんばかりに、眉間に皺を寄せたままの武蔵。相変わらずニタニタとする五平。「五平! いい加減にそのにやけ顔をやめろ! イライラするぞ」「これは、申し訳ありません。社長のヤキモチなんて、ついぞありませんからな。いや、失言でした。竹田の横恋慕とか言うのじゃなくて、純粋な気持ちですから」「なんだ、その純粋ってのは。少年みたいな、とでも言うのか!」 椅子に座ったり立ったり、机の周りを歩いたりと、まるで落ち着かない。

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