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敏洋’s 昭和の恋物語り

歴史異聞  第一章 『 我が名は、ムサシなり!』(八)決闘、吉岡一門 

2020年06月13日 外部ブログ記事
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冷笑を浮かべて本堂横を指さした。
月明かりだけが届くだけだった。
およそ五間ほどの巾で、奥行きは十間か十二間か。太い幹回りの木が三間ほどの間隔に並んでいる。
この場所ならば、ムサシの言うが如くに多人数の乱入はできない。

 体の冷えが気になり始めた清十郎は「体を温めてください」という梶田の進言を退けた己の未熟を思い知らされた。
ムサシの遅参もまた、体の冷えを誘わんが為のことかと、後悔の念に囚われた。
田舎武芸者と小馬鹿にした己の傲慢さが恥じ入られた。
亡父三代目当主である吉岡直賢の今際(いまわ)の言葉が思い出された。
「臆病であれ!」
 その意味を、いま知った清十郎だった。

 感慨に耽る清十郎に対して、ムサシが「参る!」の声と共に、長さ三尺はあろうかという丸太を飛び降りざまに振り下ろした。
慌てて木刀で受けた清十郎だが、その衝撃に手首を痛めてしまった。
なんとか正眼に構えをしたものの、すでに戦意を失った。

清十郎の目に怯えの色を見たムサシだったが、右の肩に一撃を加えて脱兎の如くに走り去った。
約定どおりの闘いー相手に僅かでも一撃を加えられればそれで勝ちとするーを守ったムサシだった。
此度の戦いは、金品が目的のムサシではない。
吉岡清十郎という、京一の兵法者を倒した男という名前を欲しただけのことだ。

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