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敏洋’s 昭和の恋物語り

えそらごと  (二十九) 

2018年12月25日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 貴子は彼に声をかけてくれるが、真理子は貴子だけに話しかけている。
外国人に取り囲まれてしまった彼、群衆の中でひとり毛色の違う彼、飛び交う言葉がまるで理解できない彼。
しかし不快さはなかった。
ころころと転がるような二人の声が、彼の耳に心地よさを与えていた。

 五月の日差しは肌に悪いからという貴子の言葉で、山肌の木陰で食事を摂ることになった。
「三角おにぎりのつもりなんですけど……」と、真理子が初めて握ったというおにぎりが出された。
「形が悪くてごめんなさい」というそれは、丸っこい形をしていた。

「お味はどう?」と問いかけられ、「うまい!」と何度も叫ぶように言いながらぱくついた。
 満足げにうなずきながら、二人も頬張ったとたん「塩辛い!」と、目を白黒させながら声をそろえて言った。

「ちょうど良いって」という彼の必死の言葉に、真理子の警戒心がとれてきた。
会社で、いつもぶっきらぼうな態度をとる彼だが、それが照れ隠しによるものなのだと知り、異性に対する恐怖心が和らいできた。

「合格! 松田聡、男らしいわ」と、貴子が彼の手を取り真理子の手にかぶせた。
突然のことに驚く二人だったが、互いの暖かさが伝わり合って笑顔が生まれた。
「これは自信があるんですよ」というたまご焼きはふわふわとした食感が見事で、うんうんとうなずきながら食べた。

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