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敏洋’s 昭和の恋物語り
えそらごと (十三)
2018年09月04日
テーマ:テーマ無し
暖機運転はしっかりとしている筈なのに、今朝のエンジンは機嫌が悪い。
ヨタヨタとした走りで少しもスピードが上がらない。
不本意ながら、チョークを一杯に引いた。
エンジンが急激に元気になり、スピードが乗った。
ところが少し走ってすぐにエンストしてしまった。
駐車場から公道に出る直前だったことが不幸中の幸いだった。
平日ほどではないにしても、車の行き交いはあるのだ。
今も一台の車が通り過ぎた。
「なに、どうしたの? 下手ねえ。
もっとスムーズに運転してよ。点数、下がるわよ」
眉間にしわを寄せて、貴子が注文を付ける。
(あんたの体重のせいだよ)と、心の中で悪態を吐きながらも
「はいはい、お言葉通りにしますよ」
と、答えてしまった。
何度かセルモーターを回してみるが、一向に機嫌が直らない。
キュルキュルという音が、空しく車内に響く。
吸い込みの状態になってしまったと気付いた彼は、アクセルを二、三度踏み込んだ後に、改めてセルモーターを回した。
ようやく走らせることができたと思った瞬間に、またしてもエンストしてしまった。
暗澹たる気分のまま視線を落とすと、ギアがサードに入っている。
(これじゃ、エンジンが怒って当然だ)。
舞い上がっている自分に対して「落ち着け、落ち着け」と小さく呟きながら、深呼吸を二度ほど繰り返した。
ラジオから、♪恍惚のブルースよ♪と、流行りの歌が流れてきた。
ルームミラーの中には、まだ眉間にしわを寄せた貴子がいる。
(外国の歌が好きだった)と思い出してボリウムを落とすと、ようやく険が消えた。
普段ならば貴子から話しかけてくるのだが、彼が激しいドアの閉め方や乱暴なギア操作をしたことで(怒った顔に見えたかもな)と悔やむ気持ちになった。
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